大学アドミニストレーターを目指す大学職員のブログ

高等教育関連の話題が中心。最近は補助金やIR、SDの話題が中心です。

一職員の日常的に活用する書籍10冊

 久々に、業務を行う際に参考になった書籍をまとめてみようかと思う。なおこれらの書籍は既に他のブログで紹介されていたり、本ブログでも紹介しているものも含むものである。

 なお、今回はインタネットで見られる情報ではなく、書籍のみとし、絶版されているものも入っています。

1.一般的な本

officeの各ソフトの活用例はこのあたり。

日本マイクロソフト流 最強のエクセル仕事術

日本マイクロソフト流 最強のエクセル仕事術

 

 そして、マクロやVBAを復習したり、初心者向けの本。この本は解説も丁寧で初学者の時、非常に分かりやすかった。

 なお、日常はこういうのを使うけど、そもそもVBAを使う機会があまりない…。

Excel VBA逆引き辞典パーフェクト 第3版

Excel VBA逆引き辞典パーフェクト 第3版

 

 2.表現  

資料やスライドを作る際は下記の本を参考にしている。

ウォールストリート・ジャーナル式図解表現のルール

ウォールストリート・ジャーナル式図解表現のルール

 
伝わる! 図表のつくり方が身につく本 (基礎からわかる“伝わる!

伝わる! 図表のつくり方が身につく本 (基礎からわかる“伝わる!"シリーズ)

 

 また素材集として、最近は下記を愛用。

分かりやすいプレゼン資料 1秒で伝わるビジネスイラスト集 (デジタル素材BOOK)

分かりやすいプレゼン資料 1秒で伝わるビジネスイラスト集 (デジタル素材BOOK)

 

フリー素材もたくさんあるけど、書籍で先に見て、使えそうなのは付箋貼ってピックアップしてあります。特に最近、人前で話をする機会があって、よく活用しています。グラフとかを合わせれば、インフォグラフィックみたいな事も出来ますね。

日本語表記ルールブック

日本語表記ルールブック

 

  3.大学関連

 大学関連で使うのはこのあたりですね。ただ、以前紹介したのとあまり変わっていません。(自身の業務に直結するのはたくさんありますが、範囲が狭すぎるので、省略します)

改めて「大学制度とは何か」を問う

改めて「大学制度とは何か」を問う

 
職員による職員のための大学用語集

職員による職員のための大学用語集

 
大学改革を成功に導くキーワード30―「大学冬の時代」を生き抜くために

大学改革を成功に導くキーワード30―「大学冬の時代」を生き抜くために

 

 まあ、書籍もいいのですけど、学則や学内の規程、学生に配布する手引き(履修やら学生生活とか)、点検評価報告書、教授会の資料や議事録、執行部会議の資料や議事録(大学によって閲覧できるか分かりませんが)などをきちんと読んでおく必要があるのは言うまでもありません。

 

IRと大学職員㉓データ保持(保存)ポリシー(方針)の策定と公開が必要ではないか

 IRや評価の業務を行う上で、システムにアクセスして情報を得るだけではなく、様々なデータを各部局や部署に依頼していただく事があります。その結果はレポートとして出力されるわけで、データがどのように使われたかは端的であっても分かる訳です。

 ただ、データを渡す上でふと「このデータはどのように管理されているのだろうか?」や「何かあった際にバックアップはされているのだろうか?」といったような不安を感じる事はないかと推察しています。

 IRを担う人はデータや情報を扱うプロだから、全て一任しろとか、まかせろとかの話は理解は出来るのですが、だからこそIRを担う部署はデータや情報の分析結果だけではなく、次に示した例について定め、学内に広く公開しないとならないのではと思っています。

<例>

・データをどのようにもっているか

 データはどのように管理し、保管されているでしょうか?スタンドアローンのPCでしょうか?それとも独自のシステムやDBでしょうか?

 またデータではなく、紙面といったものの場合はどのように管理されているでしょうか?(例えば、保管しているロッカーや部屋の施錠はどうしているか)

・それぞれのデータライフサイクルにあわせて、どのようにデータを保管するのか

 そもそも、データライフサイクルを定めないといけないのですが、文書管理規程などと関連しそうです。また文書保管はスペースをとるけど、データ管理と保存のコストについて問題があまり顕在しにくいような気がするのですが。

・バックアップはどうするか?

 これは、データを管理している端末やサーバーもですが、IRを担う担当者が1人しかいない場合に、他の誰がアクセスできる権限があるかといったマネジメントの意味でのバックアップも必要かと思います。(万が一、IR担当者に何かあった際に、何もアクセスできなくなったは洒落になりません)

 たぶんこういう話をすると、学内の組織や担当者を信用できないのかという事が言われるかもしれません。しかし、その業務に専任するからこそ、データ収集や集計・分析、報告だけではなく、その途中のプロセスもしっかりやっている事を示すことが必要なのではないだろうかと思います。

通信制大学と「新しい」ということ

 朝、テレビを見ていると次年度開設予定の大学がテレビCMを流している時期がありました。その大学は「東京通信大学」、これはモード学園などを有する「日本教育財団」が設置する大学です。

 そのキャッチコピーとして、「新しい」とか「15分」とか「学費が安い」とかが挙げられているのですが、この大学は通信制の大学です。(通学制の大学と学費のみを比較して、「大学の価格破壊」と言っておられたケースもありましたが)では、まず通信制の大学とは何か、どういうものがあるのでしょうか?

 公益財団法人私立大学通信教育協会に、分かりやすい解説があります。

www.uce.or.jp

 さて、上記のリンクの中に、下記のような記載があります。

大学通信教育の学習方法は、大学通信教育設置基準(文部科学省令)によって、①印刷教材等による授業、②放送授業、③面接授業、④メディアを利用して行う授業、の4つが規定されています。

自分は通信制大学というと、テキストが送られてきて、それを基に学び、レポートやスクーリングに行くというスタイルのイメージが強いのですが、「④メディアを利用して行う授業」といったスタイルもあるのです。そして東京通信大学は、このメディアを(原則として)利用したスタイルをとっている大学となります。

 では、このメディアを利用した通信制大学は他にあるのでしょうか?(今回は、大学のみを焦点にしています)科目の一部をメディアを用いて実施という通信制大学はかなりあるのですが、スクーリングなくても卒業できる(場合がある)大学として、サイバー大学、ビジネス・ブレークスルー大学、京都造形芸術大学などが挙げられます。

 なお、サイバー大学は2007年、ビジネス・ブレークスルー大学は2005年に開設されていますので、メディアを取り入れた学習方法を取り入れた大学とすると、決して東京通信大学が先行している訳ではありません。

 では、東京通信大学の「新しい」とは何なのでしょうか?東京通信大学のホームページや大学案内には特色や概要は記載されていますが、開設前もあるのか、情報公開はさほどされていません。そこで数少ない情報を下記のように一覧にしてみました。なお、比較としてサイバー大学も記載してみます。

  東京通信大学 サイバー大学
設置年度 2018年4月 2007年4月
学部学科名 情報マネジメント学部情報マネジメント学科
人間福祉学部人間福祉学科
IT総合学部(IT総合学科
募集定員 情報マネジメント学科400名、3年次編入200名
人間福祉学科400名、3年次編入200名
入学425名、2年次編入50名、3年次編入325名
学費
入学~卒業まで
620,000円
(入学金 20,000円
授業料(1年次) 180,000円
学籍管理料(年間) 20,000円
1年次合計 220,000円)
※科目により要教材費
※該当科目の履修により、スクーリング費2,500円/単位、インターンシップ費3,000円/単位が必要。
※1・2年は18万、3・4年は8万の授業料
2,710,000円
(単位ごとの支払い
1単位21,000円
124単位×21,000円=2,604,000円
入学金100,000円
※学期ごとに12,000円の学籍管理料
※単位制の為、在籍年数が延びてもさほど学費は変わらない
キャンパス 新宿、大阪、名古屋
(同一法人内の施設を活用)
福岡、(東京オフィス)
特徴点 通学不要 通学不要
1回15分の動画 1回授業90分に4章構成、1章は15~20分程度。
LMS クラウド型の学習システム
単位認定もオンライン 授業は定められた出席認定期間(原則2週間)中に該当の動画を視聴する必要がある
  学生の62.9%が30代以上

これらから察すると、特徴としては既に同一法人内で持っている施設を活用するので、いくつかキャンパスがあるという事でしょうか。なお、学費が安いとされていますが、教材費などここに見えないものもあるでしょうし、サイバー大学は大学の特色などから学費は通学制をさほど変わらないかと思いますので、この2つだけで比較して安いとはちょっと言えません。(なお、学費についてはまとめられているガイドがあります)

<参考>通信制大学・短大の学費一覧 - スクーリングなし!通信制大学ガイド

サイバー大学は学生の6割以上が30代以上なのですが、東京通信大学はどのあたりをターゲットとしているのでしょうか?入学案内を見る限りは、各学科とも55%は社会人入学の枠を設けています。

サイバー大学の情報公開を確認すると今年度は入学定員425名に対し、489名の入学がいるとの事です。

www.internet.ac.jp

なお、平成29年度の学校基本調査で私立大学の通信の学生数は下記のような割合になります。

f:id:as-daigaku23:20171006102931p:plain

※学校基本調査(http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?bid=000001093061&cycode=0)より著者作成

これを見るとやはり22歳以上が多いことが分かります。東京通信大学は、どちらかというと高校卒業した若者層を大分狙った大学とも言えるかもしれません。そうすると新しい大学とは、従来は社会人に向けて募集を打ち出していた既存の通信制大学とは異なり、若年層もターゲットとし見据えた大学であり、若年層からすると新しい大学であると言えるのかもしれません。

IRと大学職員㉒マップを用いたデータの可視化一例~埼玉県にある大学(学部)の入学定員充足~

 すこし前の記事で、Excelを用いたデータを地図にしてみる機能を紹介しました。ただこれだけでは、企画書や提案書、プレゼンに使うのは不十分で、もう少し見え方を工夫したいなと思っています。(例えば、マップを使って、適切な位置にインフォグラフィックでデータの可視化を出来ないだろうかと考えています。)

as-daigaku23.hateblo.jp

 

 そこで、今回はExcelの3Dマップを用いて、地域ごとの入学定員に対して入学者がどれぐらいいるかといったデータをどのように見せられるかをやってみました。

まず使用したデータは、埼玉県にある大学の入学定員や入学者数、そして住所データです。(郵便番号では、うまくいきませんでしたので住所データを使用しました)

二部(夜間)は除く、複数キャンパスがある大学は埼玉県内にある大学のみを記載、入学者がいるキャンパスのデータを大学の情報公開をもとに抽出しました。ただし、未だにH29年度のデータを掲載していない大学が3大学程ありまして、そこはH28のデータをつかっています。

 まず、基データが下記です(大学名とかは削除しました)

住所 入学
定員
入学
者数
入学率
さいたま市桜区下大久保255 1535 1465 95%
越谷市三野宮820 395 415 105%
新座市中野1-9-6 970 1160 120%
さいたま市緑区大崎3551 170 129 76%
春日部市内牧4158 330 377 114%
入間郡毛呂山町毛呂本郷38 127 130 102%
入間郡毛呂山町川角981 240 246 103%
川口市木曽呂1510 420 285 68%
深谷市普済寺1690 500 543 109%
さいたま市見沼区深作307 1620 1823 113%
新座市菅沢2-1-28 970 817 84%
三芳町藤久保1150-1 300 350 117%
坂戸市けやき台1-1 1660 1799 108%
川越市豊田町1-1-1 660 635 96%
坂戸市千代田3-9-21 437 514 118%
飯能市阿須698 900 948 105%
上尾市戸崎1番1号 580 492 85%
狭山市柏原新田311-1 360 318 88%
東松山市岩殿560 2590 2729 105%
狭山市稲荷山2-15-1 200 199 100%
川越市的場北1-13-1 1605 1764 110%
比企郡鳩山町石坂 600 702 117%
深谷市上柴町西4-2-11 100 126 126%
川越市今泉84 100 52 52%
川越市鯨井2100 811 872 108%
朝霞市岡48-1 556 604 109%
草加市学園町1-1 1750 2410 138%
所沢市中富南4-21 866 963 111%
入間郡毛呂山町下川原1276 320 373 117%
南埼玉郡宮代町学園台4-1 1000 1063 106%
幸手市幸手1961-2 180 144 80%
北足立郡伊奈町小室10281 350 327 93%
さいたま市岩槻区馬込1288 810 531 66%
新座市北野1-2-26 1005 1137 113%
ふじみ野市亀久保1196 700 645 92%
加須市水深大立野2000 300 309 103%
入間市中神728 310 268 86%
狭山市広瀬台3-26-1 120 70 58%
坂戸市けやき台1番1号 120 120 100%
さいたま市岩槻区浮谷320 185 185 100%
和光市諏訪2-12 105 110 105%
行田市前谷333 300 298 99%
熊谷市万吉1700 530 551 104%
所沢市三ケ島2-579-15 560 583 104%
本庄市西富田1011 400 419 105%

これをもとにExcelの3Dマップにしていきます。(使い方は、上のリンクの記事や検索してみて下さい)

単純に入学者数や入学定員を地図に落とし込んだのが下記の図です。 

f:id:as-daigaku23:20171001110601j:plain

そして入学定員超過率をヒートマップにしたのが下記となります。(色が濃いほど、入学定員を超過している)

f:id:as-daigaku23:20171001110607j:plain

まあこれでも良いのですが、少し分かりにくいので、カスタムしてみましょう。

使うのは「新しいシーン」にある「新しいカスタム」の地図です。これは任意の地図画像データを使う事ができます。ただ注意点として、住所データを自分で合わせる必要があるので、少しだけ手間がかかります。(地理が分からない地域は猶更です)

f:id:as-daigaku23:20171001110803j:plain

このカスタムを用いて、入学定員超過率をヒートマップで出すとこんな図が出来上がります。(座標固定が少しずれているかもしれませんがご容赦下さい)

f:id:as-daigaku23:20171001110750j:plain

こっちのほうがずっと分かりやすくなりました。これ見ると、東武東上線沿いの大学は比較的学生が集まっているように感じます。

3Dマップには、「カスタム領域」といった機能もあるのですが、地図データ(国土地理院から入手可能)が必要であったりと、ちょっと勉強が必要そうですが、今日紹介したのは比較的簡単です。地図も画像ファイルであれば大丈夫ですので、路線が書いてあるデータでもいいかなと思います(今回は時間なくてやっていません)

まあ3Dマップ機能、使うには問題があって、PCのメモリーをくうので、プライベートの格安PCだと、何回もクラッシュしました…。あとは、任意の画像アイコンとかを使ってマップに落とし込める機能があると、インフォグラフィックとして面白いものが出来そうなんですが、別のツールも使いつつ、模索していきたいと思います。

 

【コラム】「みんなちがって、みんないい」という締めくくり

 私自身、セミナーでファシリテーターをやったり、ワークショップを軸とした勉強会を主催しているものもあります。そこで、たまに直面する事の1つとして「参加者の興味や属性がバラバラで議論が広がった、まとまらない」というのがあります。

 例えば、大学の設置形態、どこにあるかといった地理、大学の規模、成り立ち(例えば宗教系かどうか)でも、状況が違いますし、大学という大きな枠で同じ方向を向いて議論できる事はそうそうないのではと思います。まあそこはファシリテーターの力不足もあったりとか、ファシリテーターが力で班の議論をねじ伏せてしまうとか(あまり良くないですね)あるのです。いずれにせよ、そういう時は「色んな意見があるよね!」とか「大学によって状況や立場が違うよね!」とか「みんな違っていいんだよね?」という締めくくりになる事があるのではないでしょうか?

 私は、大学(他には大学職員とか)を一つの括りで議論をする事は難しいと思いますし、様々な意見を聞く、多様性を理解するといった事は非常に意義のある、重要な事だと思います。ただ、「みんな違ってて、いいのだよね」と捉えるだけで終わってしまうのはもったいなと思います。そこから、復習、比較、批判、内省、熟考、応用などをしないと満足感だけで終わってしまうのではないかと感じています。