大学アドミニストレーターを目指す大学職員のブログ

高等教育関連の話題が中心。最近は補助金やIR、SDの話題が中心です。

【コラム】大学コンサルタントは悪者なのか?

 大学コンサルタント、それは大学内部では嫌煙される事が多い。

一般に大学コンサルタント(以下、「コンサル」)といっても、いくつか種類があるように思う。まずはコンサルタントをする領域。例えば、大学経営、大学運営、教育、研究支援、地域連携、キャリア、高大接続、学部学科の設置や資格課程認定、FDやSDなど、大学のほとんどの領域に専門とするコンサルがいるのではなかろうか。

 

 コンサルタントのやり方にもいくつかパターンがあろう。例えば、大学の組織に入って調整までやるパターン(その場合、クライアントの名刺も持っているケースが多い)、相談役となるパターン、この場合は表に出るケースと出ないケースがあるがあるようだ。

 

 また、何を持ってコンサルタントをするかといった視点もある。大学で管理運営や経営を担当してきて独立するケース(武器は自分の経験や知識)、組織として対応するケース(例えば教育備品や図書などの企業では、そういうコンサルタントを持っているケースが多い。大学設置業務などを担当すれば、自分のところで色々購入してもらえるかもしれないし)、事例をたくさん持っているケース(これは事例をただ持っていて紹介だけするパターンと、事例を分析し昇華してクライアントの実状に合わせてコンサルタントするパターンなどがある)、単に一般論しか持ち合わせていないパターン、政策などによく通じているパターン(どこで聞くのか、謎の情報網を持っているしか思えないときがある)などなどだろうか。無論、一つのパターンだけで勝負する場合もあれば複数を併せもつケースもある。

 

 では、何故大学コンサルは悪者に思われる事が多いだろうか。これもいくつか理由があり、例えば次のようなケースの場合があるのではないだろうか。

・フィーを払っているのに、一般的な事しか言えない。もしくは情報の横流ししか出来ない(無論、情報を収集し、それらを整理・構造化し、クライアントにあわせ情報提供できる場合はこれには該当しない)

・日常でも忙しいのに、改革の為に、過分な業務が発生するように思われる。

・自分達の領域に踏み込まれることへの不安や不満。

・自分達が考える、また好きなようにできない事への不満。

・(上と関連して)自分達が意思決定できないのではという不安。

・自分達には、コンサルを入れた恩恵が感じられない。(例えば大学経営に対し、コンサルが入った場合は、経営陣以外は恩恵がない、もしくは感じ取れないかもしれない)

コンサルタントを入れた側がコンサルタントを悪者に仕立て上げるケース。

 まだ考えればあるように思うが、この記事を書く30分の間に思いつくものだけ列挙してみた。

 まあ自分としてはコンサルは決して悪者ではなく、大学としてどう活かすかなのであると思っている。ただ、悪者ではなく悪質なコンサルがいるかもしれない事は留意しておく必要があろうと考えている。

IRと大学職員⑳目的が分析になる怖さ

 私が学生の頃は、大学が行う調査は授業アンケートが学生生活調査でした。近年は、学修行動調査をはじめ、調査が増えております(学生に対する調査も増えていれば、学外から大学に対しての調査が増えていると思うのは気のせいでしょうか?)

 さて、毎年あるいは数年おきに実施している調査は、刻々と変化する実態がある場合は経年変化という事も鑑みながら、調査そのものや質問を一部変える・見直すという事が考えられます。

 この「見直す」という作業において、たまに違和感を感じる事があります。それは、「見直す」事の目的が、「良い分析が出来ないから、良い分析が出来るようにしたい」というものです。自分の中で引っかかる点として、いくつか挙げると以下のようなものです。

 ・良い分析とは何か?(結果が綺麗に出る分析なのか?)

 ・どのような分析か(記述統計?推計統計?)

 ・良い分析は何に基づくものなのか?(担当者の主観?体感?経験?リサーチクエッ

  ション?何らかのモデル?)

 ・その分析は、分析者の自己満足や知識欲や承認欲を満たすだけではないか?

 ・ その調査は、分析ありきの調査なのか?(点検評価の組織レベル(マクロ~

  ミクロ)に応じて、実は集計レベルでいいパターンもあるのではないか?)

 ・本当に、組織として必要なのか?

 調査の設問を見直す場合、当時どうしてその設問にしたのかを深堀していく必要があると思っています。分析ありき論ではなく、調査そのものについてどうするかを検討するのであって、IRが調査そのもの検討に関わるかは、各大学がそれぞれIRに何を求めているかによるでしょう。IRは、大学内のデータについて把握し、理解している事は必要だと思います。ただ、分析について、現場や大学としての方向性もなく、分析することのみで調査を見直すのは、どうなのだろうと感じます。(むろん、的確な指摘はあるでしょう。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 最後に、分析手法も含め、データや情報に関する全てをIRが管轄や統制しようとする危うさというのが実はあるのではないだろうかと思っています。

 

 

 

ボイスメモアプリ「Recoco」と議事録作成

先日、ツイッターで見かけた「ボイスメモアプリRecoco」。ボイスメモアプリであるが、文字起こしもできるという事で、これは面白いかもと思っていくつか試してみた。

書き起こしもやってくれるボイスメモアプリRecocoなら録音の大事なところだけ聞き返せる | TechCrunch Japan

なお、使ってみた感想は箇条書きにて記載し、個人の感想に基づく記事である。使用した端末はiPhone6、数回ほど会議や打合せで使用してみた。

 

・対応OSは、ios。(手元のガジェット類は、iPhone、アンドロイドのスマホ、YOGA BOOK(windows)があるので、これは対応済みだが、アンドロイド版も今後出ると助かる)

・アプリのファイルサイズは76.3 MB。なお、音声の保存形式をMP4の高音質に設定し、3時間ほどの録音をしたら、約126MBになっていた。毎週使うとiPhoneの容量をくいそうな感じ。(後述のバックアップも参照)

・操作性は、一目で分かるようになっている。直感性で操作できるという印象。

・新規録音する際に、同期カレンダーに応じて、そのスケジュール名を記録名としてくれるのは便利。例えばカレンダーに15時「○○会議」と入れておいて、15時から記録を始めると「○○会議」を記録名としてくれる。同時に、どこでやったかも位置情報をもとに記録してくれるみたい。

・録音を始めると、区分けやTodo、お気に入りの機能がある。Todoは、今回はなかったので使わずだったが、区分けは大きな議題の時に区切って使ってみた。録音後に区分けA・B・Cがあった場合に、録音を聞きなおす際に区分けのところへすぐ飛べたり、一つの議題の所要時間も分かる。

・録音の際は、時間が細かく表示され、記録される。つまり、どの発言がいつ言われたかが一目で分かる。これも後で録音を聞きなおす際に使いやすかった。(全部を聞くのではなく、一部うろ覚えのところを聞きなおす際は特にである)

・録音する際は、自分のiPhone6だと、10人程度の会議でマイクなしだと、端末周辺の数人の声しか文章にしてくれない。大人数の会議で、マイク使用であれば、声を拾って文章にはしてくれる。(iPhone用の外付けマイクを使用したら、結果は変わるかもしれない)

・音声の文章にする精度については、後で何を言ったかを見直すには役に立つ。会議に参加していない人が、音声も聞かずに文章だけ見ると意味が分からないだろうなという感じ。(発言録として使うのはかなり難しい)

・録音した音声を聞く際に、再生速度の変更や少しだけ戻したり進められるのは便利。

・バックアップについてエバーノートや各種クラウドサービスに音声データはバックアップ可能。ただエバーノートにバックアップしてみたが、ワンタッチでバックアップできるのは記録名と音声データのみであり、手動でテキストデータは入れないといけない。

・テキストデータ(文字起こし)をコピーして、メモ帳やメールにはっつけられるのだが、時刻データも一緒に出てくるため、文字起こしデータはちょっと使いにくい。例えばこんなテキストデータになる。

14
00:02:39,412 --> 00:02:44,017
今日は
 
15
00:02:50,904 --> 00:02:57,119
この後は
 よって、そのままメールにテキストデータを貼っても使用は難しい。例えば、文字起こししたデータのみを選択しコピーできる機能や、表データ(1列目番号、2列目時間経過、3列目文字列)として出力できる機能があると便利だなと感じた。
 
そしてまとめとして思った事は、
・5人以上のミーティングであればiPhone用マイクを使うか、会議にマイク導入が必要

・インタビューなどには、かなり使えるかもしれない。ただ、ボイスレコーダーと併用するほうがベター(位置づけとしてサブレコーダーがいいのでは)

スカイプミーティングの際に、スピーカーの近くにおいておけば記録できるのではなかろうか?

・議事録作成に役立つかといえば、録音データがメインでテキストデータは補助的な感じであった。自分の場合は議事録は、会議中にとったパソコンメモをもとに作成するから、あとで聞きなおす程度な感じ。

 

研修等の講師を呼ぶ時に何に気をつけるか

 仕事がら、講師を招聘する事が多いです。まあ大概はFD関連です。そこで大学の研修を主として、自分が講師の先生に来ていただく際に、やっている事を備忘録としてまとめました。なお、大学によって規程も異なるかと思いますので、本記事はご参考までに。

 

1.講師の手配

 研修を企画する際、大学では何が課題か、今度どうしたらいいかのかをふまえ、アンケートや聞こえてくる声をもとに、どのような講師をお呼びしたらいいかを検討します。自分の場合は、何かしらの面識があるか、面識がある方から紹介いただける先生にお願いする事が多いです。

 講師の先生には、日時案を打診するとともに、直接面識がない方には、こちらから出向いて打合せをお願いしています。本学の現状や課題、そしてその為の研修の位置づけや目的についてご理解いただき、趣旨に沿った話やワークショップを行ってもらう為でです。

 

2.講師の謝礼や旅費はどうする?

 謝礼額は、所属機関は研修講師については規程ではなく稟議で対応しています。いつも悩むのは謝礼額でして、講師の職位や実績、拘束時間もふまえて検討しています。あと、源泉徴収額を謝礼に含めるか含めないかは、大学や担当者によるかもしれません。

例えば、謝礼を5万とした場合、50,000×10.21%=5,105円の源泉徴収すべき所得税額及び復興特別所得税を支払う必要があります。

No.2795 原稿料や講演料等を支払ったとき|源泉所得税|国税庁

私の場合は、現金で謝礼を渡す場合が多いので、小銭を渡すのははばかられて、5万ぴったりで渡せるようにしています。

50,000÷0.8979で源泉徴収を抜くとぴったりの金額が出ますね。

旅費については、原則実費としていますが、国税庁のHPには下記のように記載されています。

No.2792 源泉徴収が必要な報酬・料金等とは|源泉所得税|国税庁

謝礼、研究費、取材費、車代などの名目で支払われていても、その実態が報酬・料金等と同じであれば源泉徴収の対象になります。しかし、報酬・料金等の支払者が、直接交通機関等へ通常必要な範囲の交通費や宿泊費などを支払った場合は、報酬・料金等に含めなくてもよいことになっています。

こちらでチケットを手配して、講師に渡せばいいのですが、中々そうする事も難しい場合がありますし、実費で源泉を入れると講師の先生の負担が出てしまう場合があるので考慮が必要です。

 

3.研修前後の手配について

 例えば、遠方であれば前泊か後泊の手配は必要か?、宿泊先は大学近辺?それとも前後の日程を鑑みて別の場所?。宿泊先には事前にお金を払っておくか請求書払いにしておけるか(講師の先生にはチェックインのみで財布は出させないように)、昼食や夕食の手配は必要か(もしくは本学関係者と一席設けるか)、その際に好き嫌いやアレルギーはあるか、資料はいつまでにもらえるか(含む印刷時の指定)

 

4.研修当日の手配について

 パソコンは会場で用意or講師か?(ポインターも同様、中にはご自身で持ち込まれる場合もあった)、演台の上におくもの(水やお手ふきなど)はきちんとあるか、講師の当日のスケジュールや動線は学内(担当者)で共有しているか

 

とりあえず、この記事を書く20分で思いついたものだけを列挙しました(後日追記します)

大学とコストパフォーマンス

 子供が大学に行く、且つ親が学費を払う場合は、この費用は妥当なのだろうかと考えることがあるでしょう。これは大学に限った事ではなく、高等学校を選択する際も進学率なども見て、志望先を決めていくという事もあるかと思います。

 最近、「大学のコストパフォーマンス」というワードを聞くようになりました。またネットでもいくつかの記事も掲載されています。直近だと以下のような記事でしょうか。

dot.asahi.com

www.mag2.com

例えば、この記事でのコストパフォーマンスとしては、就職率と学費が主な視点ではなかろうかと思います。

就職率について

・AERAの記事では就職率の定義がきちんとなされておりますが、就職希望者数が分母なのか、全学生数が分母なのかを見る必要があります。また全学生の就職率が低いなと思っても、大学院に行く学生が多い分野もありますので、進学率といった数字も見る必要があります。

コストについて

・学費だけで本当に充分なのでしょうか?記事によっては、純粋に学費だけで比較しているものがありますが、入学金・施設設備費だけではなく、入学してからテキストや参考書代、実習費が含まれていない場合は実習費(実習が遠方の場合は宿泊費もかかったりします)などもあります。他に学費ほど高くはないですが、同窓会費とか保護者会費とか必要になる場合もあります。

 

 そもそもコストパフォーマンスで大学を見るのであれば、就職率で妥当かどうかはかなり疑問に思っています。個としてみるならば、就職率だけではなく、在学中において大学がどのようにお金を使っているか(教育経費にどのぐらいお金をまわしているか)、将来見込める仕事(資格取得を目指す学部)や生涯予測年収(このご時勢ではそんな予測をする事は難しいと思いますけど)、学位取得率(中退率やリテンション率)、大学の教育研究の取組みなども見て、総合的に個々が判断するのではないかと思っております。まあ学士を取りたいというのであれば、放送大学通信制の大学や通信課程もある訳なんですよね。