大学アドミニストレーターを目指す大学職員のブログ

高等教育関連の話題が中心。最近は補助金やIR、SDの話題が中心です。

学修成果における取り組みとは?~認証評価結果から~

前回、「評価」や「アセスメント」の概観についての記事でしたが、実際は各大学でどのような学修成果における取り組みをしているのでしょうか?

 

今回は大学基準協会の認証評価を平成26年度に受けた大学の大学(認証)評価結果の書類をもとに事例を調べてみます。

 

 大学基準協会では大学(認証)評価結果を①評価結果、②総評、③大学に対する提言としてまとめています。①は大学基準協会の大学基準に適合しているかどうか、②は各細かい内容ですが、今回注目するのは③の大学に対する提言です。

 

 大学に対する提言は、①長所として特記すべき事項、②努力課題、③改善勧告の3つがありますが、取り上げるのは①の成果に対する事項に注目してみます。

なお、該当の大学一覧は下記からご確認下さい。

www.juaa.or.jp

さて、上記の各大学のリンクから大学(認証)評価結果の書類を見ていくと、成果を長所として公開されているのは青山学院大学創価大学です。

 

まず青山学院大学では次のように書かれています。

<参考>青山学院大学

www.aoyama.ac.jp

経済学部において、2012(平成 24)年度より、外部試験である「経済学検定試
験(ERE)」の受験を促し、学生の学修成果を確認している。受験料を学部で
全額負担することにより、年々、受験者も増加しており、2012(平成 24)年度
からは、受験者全体のうちのごく少数しか該当しないS級、A+級などの成績優
秀者を継続的に輩出しており、一定の成果が上がっていることは、評価できる。

学生の学修成果を測る一つの方法として到達度テストがあります。英語であればTOEIC等の活用も考えられますし、資格系取得の学部では資格合格率等も参考にできます。今回は「経済学検定試験」という事ですので、この分野での外部試験は先駆的な取り組みではないでしょうか。

そもそも「経済学検定試験」は特定非営利活動法人日本経済学教育協会が実施している経済学部および社会科学系学部の学生を対象に、全国規模で経済学の数理的・理論的な基礎知識の習得程度と実体経済での応用能力のレベルを判定する試験との事です。

試験要項|ERE 経済学検定試験

参加大学も一覧を見るとかなり多いようです。この辺は私はまったく無知の所でした。

このような試験を導入するという事は、専門分野等に関する知識能力は測ることはできますので、卒業論文等の評価なども組み合わせれば専門分野に関する知識・能力のアセスメントは進むのではないでしょうか。

 

続いて、創価大学です。

<参考>創価大学

www.soka.ac.jp

大学全体の共通科目における教育目標を具体化したものとして、学生が何をしっているかを明示した「知識基盤」、学生は何をできるようになるべきかを明示した「実践的能力」や知識と能力を用いて何を行おうとするのかを明示した「教養ある市民としての資質」からなる8項目のラーニング・アウトカムズを策定し、共通科目のシラバス上で各科目との関連性を明示している。また、各科目とそのアウトカムとの対応関係を学士課程教育機構において確認し、達成度の指標を開発していることは、先進的な取り組みとして評価できる。

 赤字ばっかりになってしまいましたが、いずれも重要であり、大学がやろうと思っても中々できる事ではありません。

①到達目標(含むディプロマポリシー)が明確になっているか

②カリキュラムマップもしくは履修体系(系統)図等の整備がなされているか(カリキュラムは体系性をもって整備されているか)

シラバスのチェックを第3者がやっているか

④その科目において養成する能力の達成度指標の方法は適切か

これ以外にもありますが、このような取り組みを大学で進めていくには問題がたくさんあるでしょう。また同じような取り組みとしてシラバスに達成する能力を示している大学は、金沢工業大学玉川大学などがあります。

※履修体系(系統)図の説明は、本ブログの過去の次の記事をご参照下さい。 

as-daigaku23.hateblo.jp

 

大学基準協会の評価書を見ていて感じるのは、各大学は教育方法や社会貢献は長所として取り上げられているのですが、成果については長所にあがっているケースがほとんどないという事です。ただ次の第3期の認証評価や、最近の大学教育部会の議論を見ていると近いうちに各大学に学修成果の可視化やアセスメントは求められてくる事でしょう。注目すべきは平成26年度の「大学教育再生加速プログラム(AP)」の学修成果の可視化に採択された大学、特に文系学部を擁する大学ですね。

 

では学修成果における取組は、職員は関係のない事なのでしょうか?私自身は、組織として行わなければ達成できない取り組みですす、調査等を行うにしても職員ができる事ややらなければならない事はあります。また内部質保証や自己点検・評価とも重なっており、内部質保証システムの構築も含め職員ができる事は多い分野であると思います。学修とつくから職員の領域ではないと思わずに、様々な観点からどのような事ができるかを考え行動していくことが必要ではないかと感じています。

 

最後に、大学基準協会のHPから各大学のHPに飛んで評価書を読んでいたのですが、こんな便利なものがありました。

https://jnceaa2015niad.files.wordpress.com/2015/04/e38090e8b387e69699efbc92e38091e5b9b3e6889026e5b9b4e5baa6e5ae9fe696bde381aee8aa8de8a8bce8a995e4bea1e7b590e69e9ce381abe3818ae38191e3828b.pdf

認証評価機関連絡協議会

前者のエクセルデータもありますので、各大学の長所の検索が可能かと思います。