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大学アドミニストレーターを目指す大学職員のブログ

高等教育関連の話題が中心。最近は補助金やIR、SDの話題が中心です

大学教務実践研究会第1回大会に参加して

本日、名古屋大学行われた大学教務実践研究会第1回大会に参加してきました。また大学教務実践研究会が設立され、このような大会やワークショップが今後も開催されるとの事です。

参加者は、職員が多く、名簿を見る限りでは、教務関連を担当している職員が多かったように思います。内容については事例発表が多く、教務系でなくても参加の意義はありました。

さて、以下については、講演及び事例発表で、気になった点のみ記載しました。発表者の意図と自分の解釈が異なることがあると思いますので、ご参考までに。

講演 東北大学 羽田先生「教育改革のための武器」
・最近は教育改革論が活発。学生調査の結果から分析しているケースも多い。
・カリキュラムの体系化が=人の学びの体系化ではない。
・今の大学教育改革論は学生を見ずに、データだけを見て論じているのではないだろうか。
・企業のマネジメント論は、事例を見て、論じられている。→日本の大学のマネジメント論は、事例を見て論じられたものはほとんどない。
・評価における文系と工学系の考えの違い。(評価の是非)
・教育改革は簡単ではない。教員を知る事が重要(何故変わらないのかではなく、まずは知る事が必要。)教育は自由という信仰がある。教育に力
を注ぐのは研究ができなくなったという見方がある。
・教育改革を行う為に具体的な事項として
①開かれたコア・グループの建設
学長や理事が主体となる教育改革ではない。学長はトップとして教育改革の旗振り役ではなく、モチベーションを高める政策を持つこと。
理事・副学長クラスの集団が教育改革に必要で、学長・理事長は集団を支持し物質的・精神的な支援を行う。(ただし特定の人間集団になり、視点が固定化するなどもある→マニアックな改革になってしまう。)
②制度の理解が不可欠
資格系の根拠法令、大学設置基準、通達類、学内諸規定、他大学の事例、関係法令など。特に教務関係は、通達類は法令改正の説明や解釈があるので、重要。
③答申
答申には出来不出来があり、また全ての大学をフラットにして提言しているので、大学によっては全てをそのまま当てはまるとは限らない。(自分たちの大学の現状分析が必要)→大学自身が答申をどう位置づけをするのか。
答申に頼りきると、依存になり、負のスパイラルになる。
高等教育研究を鵜呑みにしない
高等教育研究は、実感信仰を乗り越え、理論を大切にする。
高度な統計分析の結論、世界の動向、トレンドは気をつけ、鵜呑みにしない。高等教育研究は、導入と検証に使う。
⑤委員会を使う
問題として、委員会を、そこで決まったことはオーソライズの場と考える。(オーソライズの場としてはいけない)
完璧な案を作成し提出して修正することを恥ずかしいと思う(教員は質問や修正させる事を好む)→根回しが必要になり、委員会が形骸化する。
反対が出ない案は、失敗することが多い。反対意見を対応・修正しながら出したほうが良い。
⑥ともに担うことは理解を深める
大学教員は天から降ってくるデータは信用しないが、一緒に会議や業務等を行う事で相互理解が深まる。
⑦改革案は複数ある
どんな論や案にも反論はあり、欠陥はある。重要は、現状認識ー基本的方向ー具体案の3ステージが必要。具体案だけ出すと、その案がダメになると教育改革はうまくいかない。
⑧人
教育改革は人間の要素が大事
⑨学習過程としての教育改革
10学習と成長こそが変化の力である。

事例発表① 龍谷大学 小野氏
「自己点検・評価制度を基点とした履修要項の改善について
⚪︎課題点
・履修要項は、前年度主義で変えようとする意識をもてない
・履修要項の中心となる授業科目の紹介が4年間の配列がわかりにくい。
・学部・研究科で合冊(必要な情報が埋れてしまう)
自己点検をきっかけに履修要項を事務的な手引きから学びの手引きへ。
龍谷GPにより、卒業論文のルーブリック作成を進めた。
⚪︎履修要項の改善目標
・学生には見やすく分かりやすくする。科目の到達点が分かる。
・教職員は、自己点検・評価の資料として活用。
・認証評価、教育内容に関する説明資料
⚪︎履修要項改善の成果
・自己点検・評価の対応
・教育過程表が見やすくなった
⚪︎今後の課題
・一部分をいじったのみである
・各科目と学位授与の方針との関連性
・ルーブリックの組織的な活用
(ルーブリックを使うのは先生の自主性に委ねられる)

事例発表② 愛知県立大学 石塚氏
「全学的な教職支援体制のあり方」
・教職支援は、教職支援室(企画・推進)と教職支援委員会(審議)を設置。
・事務体制は、専任職員、契約職員、アルバイトで担当。
・事務は、教務事務、ガイダンス、手続業務、教職専門指導を行っている。
・教職支援・事務の特徴として(どちらかという課題)
教職支援室の設置(平成21年度)まで、「教職に関する科目」担当学科中心で支援を企画・推進している。
・免許課程での情報共有や意思疎通が不十分
・教職の専任教員の配置と、教職支援の意識の差
・教職課程事務のマンパワー不足
特に問題点として
・教職課程支援・事務における責任体制が確立されていない
改革の方向性として
・教職支援室の機能の明確化
・相談窓口(教職課程支援に意欲ある教員の協力)
・事務職員レベルでの権限

事例発表③ 佐賀大学 鶴田氏、小林氏
「教育・学生支援業務の向上方策ー佐賀大学事務系職員勉強会ー」
・部署横断型の職員クラブの制度(承認されれば、勤務時間中でもクラブの業務は可能)例えば、IR・マナーなど。
・経緯
他で行われたSDに参加した職員が、理事裁量経費の申請・採択された。
・職員の温度差
意識乖離のスパイラルに陥らないようにするには、継続的に強制力を持ったSDを実施する。
・実施方法
勉強会について、自分たちがどうなりたいかから考えた。
平成23年の内容は、講演(学長・教授)やグループワークなど→内容を盛り込みすぎてしまった。
管理職と若年層の意識(職員に必要と考えるもの)の差(管理職は積極性を求めるが、若年層はそう感じていない)に注目し、平成24年は、講演→数週間のグループ活動→プレゼンを行った。
平成25年は、講演とディスカッション・グループワークを実施。
振り返り
・人を集め、活動を行うことへの不安感
・他の職員を動かすことへの遠慮や裁量の範囲のとまどい
・最終ゴールは何か、詰めが甘かった
・自分たちがどうなりたいからでSDをするのではなく
佐賀大学職員をどうしたいのかへという考えの変化

大学教務実践研究会は事例発表が中心でしたが、事例発表やポスターセッションも特徴ある現場での実践であり、参考になるものでした。
ただ、若者が少ないように思いますので、是非とも
このような場に出てほしいなと思います。


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