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大学教育再生加速プログラム申請状況を大学規模別に見る

 

先日、文部科学省のHPに大学教育再生加速プログラムの申請状況が掲載されました。

平成26年度「大学教育再生加速プログラム」の申請状況について:文部科学省

 

事業については、以前に本ブログでも触れたので内容については過去のブログをご参照下さい。

大学教育再生加速プログラム公募要領から職員を考える - 大学アドミニストレーターを目指す大学職員のブログ

 

さて大学教育再生加速プログラムの説明会の中で、担当者から、この補助金は中小規模の大学も採択されるような内容になっていますと説明がありました。 

そこで今回はどのような大学が申請をしているのかをざっと見てみたいと思います。

 

今回の申請件数は全部で254件、倍率で言えばテーマⅠ(アクティブラーニング)は11.75倍、テーマⅡ(学修成果の可視化)5.25倍、テーマⅠ・Ⅱ複合5.69倍、テーマⅢ(入試改革)1倍、テーマⅢ(高大接続)4.75倍となり、当初から言われていたようにテーマⅠが高倍率です。

 

さて、まず大学・短大・高専の国公私別で見てみると下記のグラフとなります。

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一覧で見てみると、テーマⅢに国立大学が多いのが分かります。入試改革については、私立大学は申請が少ないのですが、到達目標等から敬遠されたのではないかと思います。(また入試改革は私学ではまだこれからなのでしょう)

 

続いて、大学規模別として、どこのテーマに多く申請をしているのかを見てみたいと思います。申請状況の大学一覧から収容定員のリストを作成し、収容定員が2000人以下を小規模、2001~5000人を中規模、5001人以上を大規模として算出したのが下記のグラフです。

なお小規模大学は89大学、中規模は61大学、大規模は53大学となっています。

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小規模大学はテーマⅠのアクティブラーニング、中規模・大規模大学はテーマⅡ学修成果の可視化に多く申請をしています。テーマⅠは高倍率になりそうなので敬遠したという考えもありますが、大学の規模が大きくなれば、例えばIR等を重要課題として捉えているのかもしれません。

 

※このグラフではわかりませんが、10,000人以上の収容定員がある大学はテーマⅡに4大学、テーマⅠ・Ⅱの複合型に5大学あります。

 

今回は収容定員ベースのみで、どのような申請状況にあるかを見てみました。実際として、小規模大学が多数かと言われるとそういう事もありません。しかし、COC等とは異なり、有名な大規模大学の申請はあまり多く見られないことが今回の特徴であると思います。

申請の要件は大学全体でやる事が求められていますので、小規模大学や小回りがきく大学は多少は申請しやすい制度も関係あるかと思います。

 

今後は採択された大学が、都道府県別等で都市と地方等の大学や規模はどうなのかが気になるところです。

 (本当は、申請状況も地域別に見たかったのですが、それはまた今度)