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学年暦の多様化はグローバル化なのか?〜ギャップイヤーと学事歴〜

先日、立教大学が2016年度に4学期制を本格導入するというニュースが流れました。

立教大学 全学部で4学期制導入を決定 2015年度に試行、2016年度の本格導入で、国際化を加速 | 立教大学

APUや早稲田大学、その他の大学でも国際系の学部等で3・4学期制が見られます。

 

また先日、学事暦の多様化とギャップタームに関する検討会議の意見のまとめが出されました。

「学事暦の多様化とギャップイヤーを活用した学外学修プログラムの推進に向けて」(意見のまとめ):文部科学省

 

学事暦の多様化ですが、平成25年には大学設置基準が開催され、週1コマの15週から、十分な教育効果があれば弾力的な授業設定ができるようになっています。(話はそれますが、APUは、非常に複雑で教育効果の高い時間割設計をしています)

(各授業科目の授業期間)
第二十三条  各授業科目の授業は、十週又は十五週にわたる期間を単位として行うものとする。ただし、教育上必要があり、かつ、十分な教育効果をあげることができると認められる場合は、この限りでない。

 

また東大が秋学期入学を検討するニュースもまだ記憶に新しいことかと思います。

 

さて、今回はギャップイヤーではなく学事暦の多様化についてです。

  1. 今回の審議まとめでは、学事暦の多様化について下記のようなことを挙げています。秋学期入学による欧米等の大学等と学事暦が同じになることによる国際的な学生の流動化
  2. 留学などの学生・教員の国際交流の推進
  3. 3月卒業の高校生が秋入学までの間のギャップイヤーの体験
  4. 週に複数回授業することにより、より集中した学習が可能
  5. 2ヶ月程度の短期留学が可能

欧米の大学と学年暦が同じになることのメリットは大きく紹介されていると思います。特に欧米訪問からの留学生は増えるのではと期待されているのでしょうか。資料によれば、H25年度は91.9%がアジア圏からの留学生とのことです。

http://www.jasso.go.jp/statistics/intl_student/data13.html#no3

学事暦の多様化は、グローバル化の観点から議論されることが非常に多い(先日の私立大学等総合支援事業のタイプ4のグローバル化にも「セメスター制を採用しているk」で3学期又は4学期制の採点基準がありました)と思うのですが、上記の4のように教育にも影響を与えます。

 

例えば4学期制であれば、2ヶ月を4回(授業週は8週)というのがイメージかと思います。例えば単純計算であれば、2単位の講義の場合、週2回×8週となります。年間40単位が履修上限であるならば、1学期に10単位=2単位科目を5科目履修すれば良い計算になります。上記の4にあるように、4ヶ月で10科目を週1コマを幅広く受けるよりかは、2ヶ月で5科目を受けたほうが、理解度が深まると考えられます。(特にラーニングコミュニティや科目間連携等も併せると学生の理解度が高まるのではないでしょうか)

 

また2ヶ月の短期留学が可能とありますが、裏を返すと教員のサバティカルも2ヶ月ごとの短期間から長期間といった設定ができます。例えばサバティカルを申請すると実施できるのは数年後ということもありますが、短期間で良いのであれば、ローテーションで研究の時間が取れるのではないでしょうか。

 

しかし4学期制導入といっても、実は簡単ではありません。まずは兼任教員の確保です。学事暦が異なるということは、スケジュールを合わせることは非常に難しくなります。(以前、3学期制の国立大学の先生に兼任講師のお願いをしたら、学事暦が合わず断念したことがあります)(専任教員をもっといればいいと言われますが、現実にはそうもいかず…。)

また事務としても、システムの対応(初年度だけかと思いますが)や例えば2学期制から4学期制に変わるとなると、授業アンケートや試験等の業務を行うサイクルが早くなりますので、教学担当者からは最初は悲鳴があがりそうです。

 

 

問題はありますが、グローバル化という観点からだけではなく、教育の質向上という観点からも4学期制は魅力があります。グローバル化だけではなく、教育という観点からももっと議論があってもいいのではと思っています。ただ大学として組織決定する必要がありますし、時間割設計の根本的な見直しや学事暦の見直しなど準備に非常に時間のかかる事でもあります。