大学アドミニストレーターを目指す大学職員のブログ

高等教育関連の話題が中心。最近は補助金やIR、SDの話題が中心です。

COC事業名から見る各大学のキーワードは何か?

以前、このブログで「COC事業を申請する意義について」と題して、COC事業の概要等をご紹介しました。

 

COC事業を申請する意義について - 大学アドミニストレーターを目指す大学職員のブログ

 

さて本ブログは、読んでいただいている方は大学関係者がほとんどかと思いますが、念のため、COCの目的についておさらいすると文科省のHPによれば下記のように書かれています。

「地(知)の拠点整備事業(大学COC事業)」は、大学等が自治体と連携し、全学的に地域を志向した教育・研究・地域貢献を進める大学を支援することで、課題解決に資する様々な人材や情報・技術が集まる、地域コミュニティの中核的存在としての大学の機能強化を図ることを目的としています。

 この「全学的に地域を志向した教育・研究・地域貢献を進める大学」と聞いて、ふと思ったのは、「どのような内容でCOC事業を申請しているのか」という事です。

(COCに関連する雑談の中で、医療・福祉が多い印象があるなどの話も聞きますが、それは個々の印象ですので、根拠があるわけではありません)

 

そこで今回、「KH Coder」というソフトを用いて、申請事業名一覧(237件)を計量テキスト分析(導入部分のみ)を行ってみました。このソフトは、文章の語句を自動検出し、テキストデータを統計的に分析するソフトウェアです。これを行う事で、例えばアンケートの自由記述欄などを、数値的に概観することができます。

KH Coder Index Page

 

今回、行ったのは3点です。

  1. 頻出語上位150語

     回答の中でどのような語句が使用されているかを示した表である。なお、全てを記載することはできない為、上位150語の一覧表としています。

  2. クラスター分析

     事業名で使用されている語句を対象に、抽出語の階層的クラスター分析を行い、デンドログラムを表示しています。

  3. 共起ネットワーク

     出現パターンが似通っている語を線で結んだ図表です。出現数に応じて語句の大きさが変化し、共起が強い場合は線が増えている。カラーは、比較的強くお互いに結びついている部分を検出してグループ分けを行っている。

他に様々な分析もできますが、視覚的に分かりやすい上記3つを本ブログで紹介したいと思います。

 

1.頻出語上位150語

抽出語 出現
回数
抽出語 出現
回数
抽出語 出現
回数
地域 156 7 災害 3
育成 79 目指す 7 子ども 3
人材 61 イノベーション 6 子育て 3
拠点 45 安全 6 持続 3
事業 41 活用 6 実現 3
教育 38 基盤 6 3
プロジェクト 27 元気 6 情報 3
社会 24 産業 6 振興 3
23 次世代 6 新潟 3
健康 21 循環 6 神戸 3
21 女性 6 世界 3
連携 21 養成 6 生涯 3
創造 18 デザイン 5 専門 3
コミュニティ 16 ネットワーク 5 創成 3
16 育てる 5 創成 3
15 改革 5 地方 3
活性 14 交流 5 通す 3
実践 14 高齢 5 3
文化 14 市民 5 3
課題 13 推進 5 認知 3
形成 13 創出 5 発信 3
大学 13 拓く 5 発展 3
13 長寿 5 福祉 3
解決 12 スポーツ 4 北海道 3
共生 12 医療 4 魅力 3
構築 12 活動 4 予防 3
担う 12 環境 4 里山 3
学ぶ 11 技術 4 歴史 3
創る 11 研究 4 ふじ 2
未来 11 向上 4 アップ 2
学生 10 自立 4 カリキュラム 2
都市 10 世代 4 カレッジ 2
キャンパス 9 豊か 4 ハブ 2
モデル 9 融合 4 フード 2
安心 9 4 プラットホーム 2
貢献 9 エネルギー 3 プラン 2
再生 9 システム 3 ライフ 2
支える 9 ブランド 3 2
整備 9 リーダー 3 運動 2
プログラム 8 育つ 3 2
8 価値 3 学習 2
活力 8 開発 3 活きる 2
向ける 8 学び 3 活躍 2
支援 8 看護 3 京都 2
ケア 7 共に 3 教員 2
育む 7 結ぶ 3 計画 2
7 広域 3 芸術 2
活かす 7 構想 3 減少 2
7 高専 3 互恵 2
志向 7 3 2

地域という語句が多いのは、言うまでもありませんが、「人材・教育・プロジェクト・創造」などが目立ちます。特に30回以上出現している語句は「地域・育成・人材・拠点・事業・教育」となります。

 

医療や福祉が多いのではという印象は、関連する語句は例えば「健康21回、ケア7回、食7回、高齢5回、長寿5回」などです。今回申請が237件ですので8.8%が健康の語句が事業名に入っております。

(これが多いとみるか少ないとみるかは個々の考えもあるかと思いますが、私は予想よりも少ないと考えています)

 

2.クラスター分析

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クラスター分析は、出現回数が5回にしぼって、分析しています。(出現回数3回以上だと、図表がすごく長くなってしまう為、ある程度しぼりました。)

 

例えば、文化と学生、市民と創、教育と志向、長寿と支えるなど似通っている出現パターンやクラスタがわかります。例えばCOCを申請した大学は、自分達が申請している事業名がどのあたりか、またクラスタはどうなのかを確認できるかと思います。

 

3.共起ネットワーク

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地域・育成・人材は出現回数も多いので、関係性は強いですが、線が太い(=関係性が強い)ものは、予防ー認知、北海道ー広域、解決ー課題などは特に目立ちます。

 

実は大学教育再生加速プログラム(以下、AP)こそ、計量テキスト分析を行ってみたかったのですが、APは実は事業名は申請書に記入するところがないのです。文科省のAPの申請一覧にも大学名しか書かれていないと思います。

 

今回は簡単ですが、いくつか図表のみ作成してみました。計量テキスト分析については、まだ勉強をはじめたばかり今回が試みにやってみましたので、こんなものは意味がないとお叱りを受けることもあるでしょうが、学内のアンケートなどに応用できるのではないかと考えています。実際、アンケートというと、教員にまかせればいいとか業者にまかせればいいとかという意見を聞くのですが、職員も最低限の集計等の知識は必要と思います。(ただこれは個人の勉強に次第という側面もあります)