大学アドミニストレーターを目指す大学職員のブログ

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高大接続の答申から考える大学の評価に関する人材ついて

昨日、中央教育審議会から高大接続に関する答申や教育システム構築に関する答申が出されました。

新しい時代にふさわしい高大接続の実現に向けた高等学校教育、大学教育、大学入学者選抜の一体的改革について(答申)(中教審第177号):文部科学省

子供の発達や学習者の意欲・能力等に応じた柔軟かつ効果的な教育システムの構築について(答申)(中教審第178号):文部科学省

既に内容の概要については、ニュース等で取り上げられております。

 

さて、今回は高大接続の話ではありません。今朝、答申を読んでいて、「大学教育の質的転換の断行」にこのような記述がありました。

引用 新しい時代にふさわしい高大接続の実現に向けた高等学校教育、大学教育、大学入学者選抜の一体的改革について(答申)(中教審第177号)

大学全体としての共通の評価方針(アセスメント・ポリシー)を確立した上で、学生の学修履歴の記録や自己評価のためのシステムの開発、アセスメント・テストや学修行動調査等の具体的な学修成果の把握・評価方法の開発・実践、これらに基づく厳格な成績評価や卒業認定等を進めることが重要である。さらに、評価に係る専門的人材を育成することも必要であり、国は、こうした取組に対して支援を行うことが必要である。

なお、参考として平成24年度の質的転換答申には下記のように記載されています。

課題の解決には以下の諸点の改善が求められる。まず、成熟社会において学生に求
められる能力をどのようなプログラムで育成するか(学位授与の方針)を明示し、そ
の方針に従ったプログラム全体の中で個々の授業科目は能力育成のどの部分を担うか
を担当教員が認識し、他の授業科目と連携し関連し合いながら組織的に教育を展開す
ること、その成果をプログラム共通の考え方や尺度(「アセスメント・ポリシー」(※))に 則 って評価し、その結果をプログラムの改善・進化につなげるという改革サイクルのっとが回る構造を定着させることが必要である。また、学位授与の方針に基づいて、個々の学生の学修成果とともに、教員が組織的な教育に参画しこれに貢献することや、プログラム自体の評価を行うという一貫性・体系性の確立が重要である。

(略)

学長を中心とするチームは、学位授与の方針、教育課程の編成・実施の方針(※)、
学修の成果に係る評価等の基準について、改革サイクルの確立という観点から
相互に関連付けた情報発信に努める。特に、成果の評価に当たっては、学修時
間の把握といった学修行動調査やアセスメント・テスト(学修到達度調査)(※)、
ルーブリック(※)、学修ポートフォリオ等、どのような具体的な測定手法を用い
たかを併せて明確にする。

(略)

(イ) アセスメント・テスト(学修到達度調査)、学修行動調査、ルーブリック等、

学生の学修成果の把握の具体的な方策については、国際機関における取組の動
向や諸外国の例も参考にしつつ、大学連携法人、大学間連携組織(コンソーシ
アム)、学協会等において速やかに、かつ多元的に研究・開発を推進する。

 

 このアセスメントやアセスメントポリシーについては、平成24年度の質的転換答申が概念の紹介や推進であったのが、今回の答申では「大学教育の質的転換の断行」の中に含まれているのは大きな事項です。

 

さて、今回の答申の評価とは、アセスメントポリシー及びプランを示しております。アセスメントについては以前このブログでも記事にしました。


アセスメントポリシーから変わる、言いっぱなしの大学から、評価をする大学へ - 大学アドミニストレーターを目指す大学職員のブログ

  

さて、さらに気になった点として、「評価に係る専門的人材」と記載されている点です。国立大学や大規模私立大学ですと評価室などがあるので、想像がつくかもしれませんが、小中規模の大学ですと、評価(例えば認証評価)は法人部局や一部の職員が特記事項として担当しているケースを聞きます。

また現在、私が近隣の大学のIRを担当している若手中堅職員との勉強会でアメリカの文献購読の際に、学内のレビューについて、IR担当者とアセスメントスタッフが並列で表記されており、アセスメントスタッフとは何かということを議論したのもつい先日でした。

 

そこでいくつかアメリカの大学のHPに掲載されているアセスメントスタッフ、アセスメントオフィスをいくつか紹介したいと思います。

University of Hawaii at Manoa: Assessment Office

Assessment Center, Sierra College

Assessment | Kansas State University

Assessment Office | College of Education

Office of Assessment - Old Dominion University

Office of Assessment - Missouri State University

この他にも、アセスメントを担当しているオフィスやセンターについての各大学のページを見ることができます。

HPを見る限り、アメリカの大学でもほとんど共通しているのは、これらのオフィスやセンターは、学生の学びの質保証に携わっているように見られます。

 

最後に評価に係る専門的人材というと、敷居が高そうであり、特に教育評価に関していえば教職員が協働する必要がある分野であると思います。また評価というと敷居が高いように思いますが、実は自己点検なのでしょう。

個人としては、評価に係る専門的人材ではなく、各部局に評価機能を位置づけ、各部局と連携をしながら評価(自己点検)をマネジメントできる人材が必要なのではないかと考えています。