大学アドミニストレーターを目指す大学職員のブログ

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H25年度大学の学部学科設置書類から見る大学の状況③~単位の上限制度(CAP制)について~

私が学生の頃は、大学1・2年次で単位を取れるだけとって、3年次は週2日程度大学に行って、4年次は必修科目やゼミ・卒論だけという人が多い時代でした。 

 

私の母校(学部)では、記憶では1年次は48単位まで、2年次以降は56単位が1年間の単位取得上限でした(その頃は、セメスター制の半期ではなく、年間で4単位科目が多い学部でした)

 

しかし、今は単位の実質化などから、年間あるいは半期の単位の上限数を厳しくしている、CAP制を昔より厳しくしている大学がほとんどかと思います。

 

CAP制については、平成24年度の質的転換答申の用語集より説明を引用します。

【CAP制】(p20)
単位の過剰登録を防ぐため、1年間あるいは1学期間に履修登録できる単位の上限を設ける制度。
我が国の大学制度は単位制度を基本としているが、大学設置基準上1単位は、教員が教室等で授業を行う時間に加え、学生が予習や復習など教室外において学修する時間の合計で、標準45時間の学修を要する教育内容をもって構成されている。また、これを基礎とし、授業期間は1学年間におよそ年30週、1学年間で約30単位を修得することが標準とされ、したがって大学の卒業要件は4年間にわたって124単位を修得することを基本として制度設計されている。
しかしながら、学期末の試験結果のみで単位認定が行われるなどの理由から、学生が過剰な単位登録をして、3年で安易に124近くの単位を修得し、結果として45時間相当に満たない学修量で単位が認定されているという現象が生じたことから、平成11年に、大学設置基準第27条の2第1項として、「大学は、学生が各年次にわたって適切に授業科目を履修するため、卒業の要件として学生が修得すべき単位数について、学生が1年間又は1学期に履修科目として登録することができる単位数の上限を定めるよう努めなければならない」と規定された。

単位制度の考え方は以前、本ブログでも紹介致しました。


職員としての押さえておきたい基本知識~単位制度~ - 大学アドミニストレーターを目指す大学職員のブログ

 単位制度から考えると、年間で取得できる単位は30単位が基本設計であるとされています。(年間30単位×4年間+4単位←この4単位については戦後改革の保健体育の4単位必修からでてきたものです)

 

しかし、半期で15単位、もしくはキャップ制を厳格化していく過程で出てくる意見として次のようなものをよく耳にします。

○1年~2年で年間30単位だと、学生の勉強量が減って、バイトや勉強以外のことに時間をたくさん使うのではないか。

○3年~4年次でも、下位学年と同じように授業があると、就職活動(もしくは国家試験等の勉強)時間を確保できない。

○そもそも単位制度がおかしい。

このあたりは、GPA制度の運用によるCAP制の弾力化(GPAが良ければ、次の半期、もしくは翌年のCAP制の単位上限の緩和)や、教育の質からも論議しないといけないかと思います。

 

さて、過去2回の記事で大学の設置書類からいくつかデータを見ましたが、今回は各大学がキャップ制をどのように申請しているのでしょうか。平成25年度大学の学部学科設置書類から私立文系の学部学科のキャップ制についての記述をピックアップしてみました。

記載内容
・1セメスターあたり上限22単位
・成績優良者はさらにプラス4単位
・1年間で23科目40単位
・各学期26単位、各年次48単位
・各セメスター20単位
・登録上限年間56単位
・1・2年45単位、3年次40単位、4年次28単位
・記載なし
・1年次50単位、3年次48単位
・半期26単位
・半期24単位
・年間48単位
・半期22単位
・年間49単位
・記載なし
・年間48単位
・記載なし
・年間40単位

これを見ると、年間で40単位から50単位で設定されています。(基本設計の年間30単位は、現実にはかなり厳しいですので年間40単位の設定なのでしょう。それでも年間40単位×3年間で120単位、4年次はほとんど科目を取らなくても大丈夫になる場合があります)

(なお、私が知っている限り、キャップ制が一番厳しいのは半期で16単位の玉川大学です。ただ制度だけを厳しくしただけではなく、カリキュラムや教育方法、教員の担当コマ数など様々な観点からも同時に改革を行っている大学です。)

 

またキャップ制は、次のように種類を分けられます。

①半期で設定

②年間で設定

③半期と年間でそれぞれ設定

④学年ごとに設定

さらにカリキュラムによっては1単位や3単位などの科目があるのでしょう、「23科目40単位」といった例もあります。

 

最大50単位も、このあたりが設置申請での上限なのでしょう。私立大学は7年に1回、第三者評価を受ける必要がありますが、ある認証評価団体では50単位が指摘を受けるボーダーラインとも聞いています。

(そして設置時に提出する体系的な履修を記載した履修モデルも、4年間で124単位を基本として、文科省に出しているかと思います)

 

CAP制は、教員や教学担当の職員から学生を縛る制度のような言い方をされる事が多いのですが、制度だけの問題ではなく、教育の質からも検討する必要があります。CAP制だけではなく、GPA制度の運用、カリキュラムの見直し、教員の担当コマ数、近年補助金の要件となった学生の学修行動調査や学習時間の調査結果、さらにアセスメントとの関連などからも含めて検討しなければなりません。

 

個人としては、文科省はキャップ制はだいぶ進んだ、次に補助金で学修行動調査や授業以外での学修時間の把握をさせて、中身について見ていこうと考えているのではと思っています。