大学アドミニストレーターを目指す大学職員のブログ

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平成26年度履行状況調査報告書 是正意見の簡単なまとめ

本日、文部科学省から平成26年度設置計画履行状況等調査の結果が発表されました。

設置計画履行状況等調査の結果等について(平成26年度):文部科学省

昨年は、平成25年の結果が出た際は、いろいろニュースにもなりました事は皆さんの記憶にもあるのではないかと思います。

 

さてお「履行状況報告書」の目的は、文部科学省のHPに下記のようにされています。

設置計画履行状況等調査について:文部科学省

大学の設置等の認可や届出の後において、認可又は届出時の留意事項への対応状況、学生の入学状況及び教員の就任状況など設置計画の履行状況等についての報告を求め、その状況に応じて必要な指導・助言を行うことにより、設置計画の確実な履行を担保する。

さらに調査の実施方法は次の通りです。

4 調査の実施方法等
(1)調査対象
  1 大学等(大学及び高等専門学校)の設置認可を受けたもの
  2 大学等の学部等で設置の認可を受けたものまたは届出を行ったもの
  3 私立の大学等の収容定員増加の認可を受けたもので、充足状況が著しく不適切なもの
(2)調査期間
原則として開設年度の始まりから完成年度の終わりまで。ただし、本調査において改善意見、是正意見又は警告が付されている場合にはこの限りでない。
(3)調査方法
1 各大学から提出された設置計画履行状況報告書等に基づき、悉皆の「書面調査」を実施。
2 書面調査の結果、必要に応じ「面接調査」又は「実地調査」を実施。

本来は完成年度までの調査報告ですが、改善意見等がついている場合は調査期間の延長もあるという事ですね。

 

結果については全体の総評から、各大学ごとに留意事項として意見が付されています。これは3つ定義されています。

・「改善意見」とは、アフターケアの結果、留意事項の履行状況等に関し、改善を強く求める事項があり、認可を受けた者又は届出を行った者に対して、その改善を求める意見と定義した。
・「是正意見」とは、アフターケアの結果、早急な是正が求められる場合、又は改善意見を受けた後に行ったアフターケアの結果、当該改善意見が求められる事項について不履行がある場合若しくは対応が不十分な場合において、認可を受けた者又は届出を行った者に対して、その早急な是正を求める意見と定義した。
・「警告」とは、アフターケアの結果、是正意見を受けながら、その早急な是正に向けた対応がなされていないと認められる場合に、認可を受けた者又は届出を行った者に対して、大学、大学院、短期大学及び高等専門学校の設置等に係る認可の基準(平成15年文部科学省告示第45号)第2条第3号に規定する「設置計画の履行の状況が著しく不適当な状態」に該当することになるおそれがある旨を伝達することを定義した。

今回、設置計画履行状況調査報告書を見ていて「警告」はなかったと思うのですが、「是正意見」はいくつかの大学についておりました。

そこで「是正意見」はどのようなものがついているかを簡単にまとめてみました。(詳細は上記リンクからご覧下さい)

 

是正意見

(大学院)

・平均入学定員超過率が非常に高い。

・春入学で定員を満たしていても、秋入学がいるや、入学定員を満たしても再度募集を行っている。

・FD活動を実施していない。

(大学、短期大学)

他大学との共通科目の教育の質保証がされているか

・一部の科目について、大学教育水準とは見受けられない内容

既修得単位の認定上限が卒業要件の2分の1となっている。(60単位を超えている)

・教員が、AC審査の判定結果で職位不適格となっている。

・教員組織の編成について、十分な教育が行える組織か(教育研究業績を有している教員を配置しているか)

・DPが具体性に欠けている。

・学士にふさわしい教育課程になっているのか。

・正確な情報の公開や案内がされていない(大学案内に誤解を生じる可能性が高い内容がある)

・適切な成績評価がされていない(同一科目で成績基準が違うなど)

・適切な入学者選抜を行うこと。

・適切な定員管理がされていない(定員を大幅に超過している、もしくは0.7倍未満である)

・授業アンケートの内容が学生に十分フィードバックされていない。

・教員の退職が多い(教育の質の担保に努めること)

・業績書に記載の不備がある。

・資格課程の選抜方法が学生に明らかにされていない。

・履行状況報告書と事実が異なっている。

・空科目で単位を認定することは不適切である。

・高大連携科目(対象 高校生)で単位を認定することは適切ではない。

・学科の教育研究の安定的・継続的な実施が懸念される教員配置。

・免許資格をとるための履修方法が大学案内と異なっている。

・学士名称と教育課程が一致していない。

・兼任・兼担教員の担当科目が大学設置基準第10条に照らして不適切。

※兼任教員は、いわゆる非常勤教員。兼担教員はA学科の科目を教えるのに、A学科の教員ではなくB学科の教員(学内の教員)が担当する場合を指す。

※参考

(授業科目の担当)

第十条  大学は、教育上主要と認める授業科目(以下「主要授業科目」という。)については原則として専任の教授又は准教授に、主要授業科目以外の授業科目についてはなるべく専任の教授、准教授、講師又は助教(第十三条、第四十六条第一項及び第五十五条において「教授等」という。)に担当させるものとする。

2  大学は、演習、実験、実習又は実技を伴う授業科目については、なるべく助手に補助させるものとする。

 ・シラバスを作成していない授業科目がある。

・学部学科開設から、大幅に教育課程を変更している。

・教学面の健全な運営がなされているとはいえない。(例えば教員組織と事務組織の意思疎通を図ることや大学のガバナンスを再構築すること)

・必要な設備計画を掲げて認可を受けているにも関わらず、設備が設置されていない。

・事務手続きに対する大学としての意識が低い。(必要な編入学定員変更の手続きがされていない)

 

大学に関係する自分としても、「?」となってしまう意見があります。そういえば以前、設置計画履行状況等報告書について下記のような記事を書いたことがあります。 

設置計画履行状況等報告書について~現状報告のみではなく、計画を履行しているか~ - 大学アドミニストレーターを目指す大学職員のブログ

 

きちんと大学設置基準等や申請手続きを理解し進めていれば、つくはずのない意見です。

そもそも設置計画の時点である程度、その学部学科の担保はされているのですから、設置計画に沿ってやっていればいいはずで、いくつも是正意見がついている大学はどうなのだろうと思います。また、実はこの結果、大学選択の基準としてかなり有効なのではと思っています。(ありえない是正意見がついている大学は、設置進行中でなくとも同じような状況ではと考えますしね)

 

前にも書いたように、事務局や大学職員は大学設置基準等の理解や手続きについて理解し、大学執行部や教員と一緒に大学運営に関わっていかなければならないと考えています。

本学(学園)は、「独裁政治だからできない」は言い訳にはならないのです。