読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

大学アドミニストレーターを目指す大学職員のブログ

高等教育関連の話題が中心。最近は補助金やIR、SDの話題が中心です

補助金獲得における職員の役割~補助金のマネジメントは何をすればいいかの一例~

COC(+)や大学教育再生加速プログラム(AP)や、私立大学を対象とした私立大学等改革総合支援事業など、経常の補助金とは別に様々な補助金があります。今回はCOCなどをはじめとした「国公私立大学を通じた大学教育改革の支援」や「私学助成の充実」を目的とした補助金申請を対象に標記のことについて一例をまとめました。

国公私立大学を通じた大学教育改革の支援:文部科学省

私学助成の充実:文部科学省

 

 私立大学で補助金をもらわずに運営している大学はほとんどないですが、補助金を獲得する為の申請業務は書類や証憑類を揃えたりと煩雑な事業です。以前、このブログでも補助金について述べたことがあります。 

as-daigaku23.hateblo.jp

 従来であれば、補助金の申請において大学職員は書類の整合性のチェックや製本など事務手続きがメインであったかもしれません。しかし近年の補助金事業は教職協同となりうるものであり、教員・職員のどちらかだけでは申請書作成すら非常にハードルの高いものです。そこで、今年度の申請もふまえ、次のような事を行っています。

 

①学内外のネットワークの活用(情報収集)

 申請業務は様々な情報が必要です。学外だと、どのような大学が該当の補助金に申請しようとしているのか(私立大学等改革総合支援事業なら、何点ぐらい獲得を目標値にしているのか)といった情報も集めます。学内であれば、補助金を申請する上で様々な申請する要件や申請資格(例えば、収容定員充足率を満たしているかなど)を満たしているかといった情報や、COCであれば先行となる取組が学内であるかといった情報の収集は重要です。(特に学部やキャンパスがいくつもある大学の場合は、情報が共有化される仕組みがなかったりして、実はこんな事やっていると聞くケースも珍しくはないと思います)

 

高等教育政策や法令への理解

 補助金の書類を作るうえで、今までの高等教育政策や法令の理解は必要です。その補助金が創設された背景は何かを読み解くことができますし、学校教育法や大学設置基準への理解も必要です。例えば、補助金の申請要件に「FDは教員の75%以上参加していますか?」があっても、大学設置基準第二五条の三でFDの実施について記載がありますので、本来であれば全教員がFDを参加している事をふまえて、該当の要件に記載する必要があります。

 

補助金の使途可能範囲の判断

 補助金は国の税金でありCOCやAPなどの補助金は、支出が可能な経費について細かく決められています。また学内での規程がどうなっているかも理解の上、事業を進行する上でその経費は補助金として支出が可能かどうかを判断しなければなりません。(補助金で支出できなくても、必要がある費用の場合は補正予算として出すかどうかも検討する必要があります)

 

④申請書の作成

 ③の補助金の使途についての記載様式作成も含め、学内の状況や申請要件に関する書類などを、補助金申請を一緒に行っている教員と分担で作成したり、プロジェクト体制の場合はマネジメントを行います。(大学職員が書類を作るというと決まった様式の作成や従来あるものを一部変えるといった事が多いように思いますが、補助金書類の作成(特に作文)は、チャレンジできるのであれば若いうちから経験しておくといいと考えています。このような経験は、管理職になった時に中期経営計画立案などにも活かせるはずです。)

 

⑤ポンチ絵

 説明するまでもないポンチ絵です。該当事業の概念をおおまかに図を交えて説明したものですが、どうすれば読み手(審査員)が理解できるか・見やすいかをふまえて、原案を基に加工したり調整を行います。

 

⑥学内の調整

 実はこれが一番大きな仕事であったかなと思います。人事異動やいくつかのプロジェクト会議に参加していたりしますので、学部キャンパス問わずキーとなる人が分かり、事前相談(根回し)も含め調整するために出向くことが多くありました。採択後の実施支援の依頼も含めて、調整業務は非常に重要です

 

 補助金の申請は他大学はライバルであるので、あまり安易に聞けるものではなく、各大学が試行錯誤しながら申請しているケースもあると思います。また試行錯誤の経験が求められる業務です。また、大学職員は人事異動がありますので、補助金申請を担当する人も入れ替わりますが、経験を文書化し全てを引き継ぐのは至難であると思います。(私の力量不足もありますが…。)そのために補助金申請はプロジェクト化にしましょう!と提唱し、補助金申請業務を時間をかけて伝えるということを最近はやっています。

 

 補助金業務において職員のやる事・チャレンジできる事はたくさんありますが、今後はどのようにして継承するかは大きな課題でもあります。