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大学アドミニストレーターを目指す大学職員のブログ

高等教育関連の話題が中心。最近は補助金やIR、SDの話題が中心です

【参加録】第16回manabaセミナー①基調講演

7月3日に開催された株式会社朝日ネットが主催するmanabaセミナーに参加してきました。
株式会社朝日ネットは、ポートフォリオやラーニングマネジメントシステムなどのソリューションを持っており、個人的には非常に作り込まれたシステムであると感じていますどうし。
今回はセッションなどで質問がある場合はシステムを通じて投稿できるシステムが活用されていました。

今回はいくつかのプログラムがあるのですが、基調講演とパネルディスカッションについて気になった点についてまとめています。

基調講演は、桜美林大学大学院の諸星先生による「我が国の大学の致命的な欠点 その解決方法を考える」です。

○大学とは何をする所なのか?大学の存在目的は何であるのか?5W1Hとは何か?
・ディプロマポリシーを達成しなかったにはどうするのか?留年させているか、それとも卒業をさせてしまうのだろうか。大学がそれぞれ5W1Hの要素を考えてみると、非常に難しい。(例えば「何を」を考えてみる)
・アメリカの大学(例えばcarleton college)は、卒業後は大きい大学院に行くようなカレッジであっても、ミッションは教育である(→研究という所は非常に少ない)
・機能分化ではなく、機能に特化する事で評価される。

○ミッションとカリキュラム
・カリキュラムを出来た理由、どういう理由で科目が並んでいるのかを考える。カリキュラム管理はされているか?(教員によって、科目や内容が変わってしまうのではないか)
・カリキュラムは高座みたいなもの(教員それぞれが芸事をやるようなもの)、カリキュラムはそれらの集合体となっている。本来はミッションがあって、カリキュラムがあり、それを教えられる人を呼ばないといけないが、残念ながら今までは人ありきの科目やカリキュラムになっている。→カリキュラム管理の重要性
科目管理ーシラバスの構成要件→科目の目的、学習の方法、期待される達成度、評価の根拠と基準、スケジュール、参考書など、教員との連絡方法。

○管理運営組織
・アメリカの大学は日本と違い、理事会の構成が違う。日本は外での透明度が非常に低い。
・アメリカの大学では多くが、理事会に学生が理事になる事が多い。ステークホルダーの意見を聞く事が重要であるが、日本では理事になるには制限をかけていたりとほとんどない。
・理事会の役目は教育環境を整えることであり、大学は教育プログラムを提供するものである。
・理事長と学長が兼務だとチェックがきかない。

○ミッションから鑑みた教職員の責務と評価
・教員評価は教員に戻っていないケースが多い。←何の為の評価であるのか?
・大学生の心得→自分に提供されるものを批判的に見て評価する(例えば教員評価など)これを初年次教育で実施する。
・何故、教員評価を行うのか?評価の軸は一つではなく、研究や教育など様々な軸がある。研究という評価が高くても教育が高いとは限らない。何を評価するかは、その大学のミッションによる。
・教育の評価、まずは学生の授業評価が挙げられるが他にもたくさんある。例えばピア評価や、シラバスの評価(参考文献を学生に活用させているか、本当に読ませているのか?)
・教員の何を評価するのか?→教育・研究・学生の成長への貢献・学内外への活動
・教員評価は学部長が見るべきものである。
・目標値を%化し、それぞれ自己評価をさせ、評価をもらう。目標の配分(教育や研究等)は人によって異なる。

○その他の欠如
・学部制の弊害、転学部が容易にできない事や以前は他学部履修も難しい。学部間の横の壁を取り払わないと無駄が非常に多い。
・学納金の概算根拠をきちんと説明できるか?(1単位はいくらか?科目等履修制度の1単位の値段の根拠は何なのか?)
・自己点検評価の欠如(自分達で自分達を守る)、外部評価の欠如

諸星先生のご講演を拝聴するのは初めてでしたが、非常に人を惹きつける90分があっという間の講演であり、教育力についてをまさに表していらっしゃったと感じています。

諸星先生の著書にも今回の講演で述べられた事が書かれていたと記憶しております。


今回、特に印象に残ったのは教員評価の基本についてであり、その為には学部長がキーワードであり、各大学で学部長の位置付けの明確化と学部長となる人材を育てる方策が必要ではないかと思います(大学によっては、学長補佐を若手の教員に任用しているケースもあります。

さて、パネルディスカッションについては次の記事でまとめを紹介します。

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