大学アドミニストレーターを目指す大学職員のブログ

高等教育関連の話題が中心。最近は補助金やIR、SDの話題が中心です

【参加録】第16回manabaセミナー②パネルディスカッション〜選ばれる大学、選ばれない大学

第16回manabaセミナーのパネルディスカッションの参加録です。ディスカッション内容については、私個人が気になった箇所を中心にまとめました。

パネルディスカッションのテーマは、「選ばれる大学、選ばれない大学ー改革と経営の間で生き残る大学の姿を追い求めてー」
オーガナイザー 京都大学飯吉先生、パネリスト 桜美林大学大学院 諸星先生及びNPO法人NEWVERY山本先生

山本先生
NPO法人NEWVERYが取り組んでいるWEEKDAY CAMPUS VISIT(以下、「WCV」)は広まりつつあり、高校の教員からは「教育力のある大学」と見られるようになっている。
<参考>WEEKDAY CAMPUS VISIT

高校生の進路発見プログラム|WEEKDAY CAMPUS VISIT

・教育機能を果たしている寮の重要性
※9月に教育寮の推進ネットワーク発足のプレイベントが開催されるそうです
<参考>NPO法人NEWVERY

NPO法人 NEWVERY

受験生は数字(平均値等)の比較は無意味であり、自分と同じような状況の人がどうだったかを知りたい。このようなデータを周辺大学が開示すると、勝てなくなる。
・大学選びの物差しとして受験生は学力・キャンパスライフ・興味関心・学習スタイル・期待する教育力・支払い能力がある。

諸星先生
オープンキャンパスという言葉はキャンパスはいつもクローズしているのかという印象を与える。
・教育方法や環境を見せる事に加えて、高校生には普通の日に学食にいって食べている学生に話を聞いてほしい(何故、この大学なのか等)
・教育力を誰に見てほしいか→企業に見てもらいたいので、企業を巻き込んでWCVをやってみてはどうか?
・某掲示板に出ている大学の情報は、良い情報・悪い情報の比率はどうか?(非常に参考になる情報がある)

飯吉先生
・普段着の大学がどれだけ見せられるかは重要(着飾ったカタログではダメ)その辺が出来ない大学は選ばれなくなる。
・アメリカでは大学を生活空間として、学生が生き生きできるように工夫されている。

山本先生
・見せられない部分があると自覚する事は、大学改革のきっかけにしていく。
・今度、高校の先生向けのWCVを企画している。

質問・意見①
○海外を目指す大学を高校生が増えていると感じているが、対策を取っている大学などはあるのか
諸星先生
・グローバルな人材を様々な大学が対応するより、グローバル志向の学生は海外で、日本の大学はドメスティックの方向性で分化をする。
山本先生
・日本の高校生が海外を目指す流れは進んでいる。
・地方の高校生は、地方創生や教育IT化、少子化(一人っ子)などで教育にかけられる費用が変わる。その上で、地方から東京に出るのと海外の大学に行くのも金額は変わらなくなる。

入試改革について
諸星先生
エンロールメントマネジメントとは、どういう学生を入れて、どのように今後したいのかをアセスメントする事である。日本ではエンロールメントマネジメントをいかにキープするかに焦点が与えられている。アメリカの大学では定員は自由に設定できる→自由にシュミレーションできる。
・教授会の位置付けと役割について
山本先生
・2020年代には入試は殆ど機能しなくなる目測だが、今は入試改革をしてどうなるのか→入試が変われば高校改革へつながる。
・入試は選抜ではなく、お見合いのようなマッチングになっていくのではないか。
・学生募集から逆算した教育改革
・専門学校は偏差値がないので、中身などで専門学校が選ばれる。専門職業大学には偏差値を持ち込まないほうがいい。偏差値ではなく、教育の内容で選ばれるように。

質問・意見②
○学生を伸ばしているという大学の特徴は何か?
山本先生
・大学の全就職先を共有すると近隣の偏差値が高い大学と同じリストになる。
・大学の特徴は、大学は教育機関であると考えていて、常に教育について考えている、学生の個人名をあげてその学生を育てる議論ができる。
諸星先生
・教員がコマをたくさん持っているとそのような教育は難しいので、教員の数の問題がある。

○日本の大学は今後どのような夢を描けるのか
諸星先生
・元々のミッションが重要で、グローバル化など様々なお化粧をしてもダメ。
山本先生
・これから変われるのは、地方の中小規模の大学や女子大学、単科大学・新設大学(学部)などである。大規模私立大学はそれらを見て、変わっていくのではないか。


今回は高大接続や教育改革についての話が出ておりました。特にWCVに参加している大学は高校教員からどのように見られているかは、その通りだと思いますし、数だけの情報公開だけではなく定性的な情報公開も選ばれる大学になるには必要なのでしょう。

また選ばれる大学として組織的に教育に取り組む事は非常に重要です。職員でも、職場の大学のミッションを再認識し、どのような事を行っていく必要があるかは今後考えなければなりません。