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大学職員に求められる文章作成や文章力とは何か

大学職員として働き、役職もついてくると業務は作業から企画調整といった割合が多くなると思っています。

役職が上がるにつれ求められてくるのは、若手で企画ベテランの職員であって、最近必要と思うのは文章を書く力です。

様式や書き方が決まっている文書や書類であれば、見本を元に書いたり、既存の文書「1」に手を入れて「1´」とすれば非常に楽ですが、「0」から「1」をつくることというのも求められてくると日常業務を見ていて感じます。

この点も踏まえて、大学職員はどのような文章を作っているのかを振り返って整理してみました。(なお、本記事は個人の経験に基づくものです)

①メール

説明するまでもありません。日頃から使用しているツールですね。最近はchatでのやり取りもありますが、メールはまだ現役です。
Office365やGoogle Appsを導入している大学もありますし、最近は自宅でも出先でもメール確認できるようになっている人も多いかと思います。
まあメールは定型文があって、そのまま使っている人も多いですよね。
 

②稟議書

高額な物品購入や事業を行う場合や決済が必要な事業について稟議書を作成します。
書き方については、ある程度ルールがありますし、執行理由も数行程度だったりしますので、慣れるとすぐに作成できる書類一つです。
昨年度と同じ事業であれば、稟議書のデータが残っていますので、それを基に作成をするという事もできます。
 

③業務及び出張報告書

業務の報告書や出張の報告書ですが、これもヒアリングした内容等の報告書であり、個人的にはあまり苦労しないものです。私の出張報告書は、研修の場合は内容の要点や所管などでA4で2枚程度が多いと思います。また私費での研修は、このブログが後で振り返ってみるメモになっています。
 

④議事録

各種会議や委員会の議事録や記録を作成しています。会議や委員会により、どこまでを議事録に載せるかは異なるのですが、発言録から議事録を作成するケースが多いです。
発言録のほうが、録音したものを文字にすればいいので楽なんですが、議事録は作成(まとめる作業)の時に何がこの議論で重要か、何を議事録に残さないといけないかを理解する必要があります。
その為には、その議題のバックグラウンドや土台となる幅広い知識が求められるのです。(たまに議事録担当になったけど、言葉の意味が分からないという悩みも聞きます)
 

⑤規程や内規、申し合わせ等

近年、規程を新しく作る仕事も増えてきました。規程は大学によっても構成や書き方に特徴がありますので他大学の例も調べますが、自大学の規程を読み込んでから原案を作成します。(また法政執務などは押さえておく必要がありますね。)
※たまに他大学の規程をコピペされたものは組織の文脈に合わない場合があるので、それは止めておきましょう。
 

⑥自己点検評価報告書

自己点検評価報告書も、私が担当している業務や部署の自己点検評価報告書の原案も書く事があります。誰も書く人がいない報告書の原案を作るほうが正しい表現の気がしますが、部長や事務局長になってから点検評価報告書の文書を作成するより、今からトレーニングできる境遇には感謝しています。
また認証評価報告書を書く機会があるかもしれません。2018年度からの第3期認証評価報告書は、大学基準協会の場合は、法令などの最低限の基準、大学としての方針、何を特色とするかの政治的判断が出来れば書けるものです。論文とは違いますので、型がある文書と感じています。
 

⑦補助金等申請書類

近年は数字だけではなく、補助金の申請書類で目的や内容などといった項目について作文・確認する事が増えました。また補助金の報告書も担当しています。
 

⑧各種調査の報告書

学生調査など、様々な調査の報告書作成も担当しています。図表作成も仕事の一つですが、そこからどのような傾向を読み取って文書化するかも必要です。
 

終わりに

①~⑧まで整理してみました。
大きく分けると①~④までは日常業務、⑤~⑧は必要性に応じて行う業務となります。
部署や担当業務によって、どのような文書作成に関わるかは異なるかと思います。しかし肝に銘じておかないといけないのでは、自己点検評価報告書や補助金の文書、規程を作る事になっても突然能力が身につくわけではありません。しかし然るべき役職就くと、文書を書く能力が突然求められるように組織を見ていて感じます。よって日常から、業務に関する幅広い知識を身に着け、言語化する・文章を書くという訓練は必要かと思います。
これ以外にも、例えば中期経営改革や事業報告書に関する書類は、上の役職になると書く機会もあります。
 知り合いの大学職員には若くして、学部等設置申請の際に設置の趣旨を担当されている人もおりますし、大学職員のブロガーには素晴らしい文章の人もおりますので、日々精進して行かねばなりません。