大学アドミニストレーターを目指す大学職員のブログ

高等教育関連の話題が中心。最近は補助金やIR、SDの話題が中心です

SD(スタッフディベロップメント)は自己啓発なのか

 若かった頃、ビジネス本、特に自己啓発書を1ヶ月に数冊は読もうと思い、書店で買い込んでみたものの、2ヶ月で終わってしまった事がありました。理由としては、面白いものもあったけど、「著者の自慢話本がほとんどでは?」と思った瞬間に、読もうと思った情熱が冷めてしまったのです。

 

 近年はビジネス本の類は、多少は目を通しますが、状況などから近隣の書店では取扱がない本を読むことが多いような気がします。

 

 さて、タイトルのSDと自己啓発。学内を見ていると、この2つの語を意味を一緒にして使用されている気がしてなりません。少し

 SDですが、学士課程答申の用語集には次のように定義されています。

【スタッフ・ディベロップメント(SD)】
事務職員や技術職員など職員を対象とした,管理運営や教育・研究支援までを含めた資質向上のための組織的な取組を指す。「スタッフ」に教員を含み,FDを包含する意味としてSDを用いる場合(イギリスの例)もあるが,ここでは,FDと区別し,職員の職能開発の活動に限定してSDの語を用いている。

「資質を向上する為の組織的な取組み」とありますが、では「資質」とは何でしょうか。

大学の図書館から「JapanKnowledge」にログインして調べてみました。

(個人で使用すると月会費がかかりますが、大学で契約していますので、学内からアクセスが可能です。他にも過去の新聞記事の検索など、個人では有料になるサービスを学内で使えますので日常から活用しています)

1. し‐しつ【資質】 デジタル大辞泉
生まれつきの性質や才能。資性。天性。「両親の―を受け継ぐ」「―に恵まれる」

 どうもしっくりきません。生まれつきの性質や才能というより、知識・能力という意で捉えたほうが良さそうです。

さらに能力を調べると次の通りです。

のう‐りょく 【能力】デジタル大辞泉
1 物事を成し遂げることのできる力。「―を備える」「―を発揮する」「予知―」

2 法律上、一定の事柄について要求される人の資格。権利能力・行為能力・責任能力など。

 このSDの説明は資質とありますが、言葉の意味を見る限り、今回は「能力」と同義語であると定義してみましょう。

 

続いて、自己啓発について、同様に調べてみます。

じこ‐けいはつ 【自己啓発デジタル大辞泉
本人の意思で、自分自身の能力向上や精神的な成長を目指すこと。また、そのための訓練。「―セミナー」

SDと異なるのは、①本人の意思、②精神的な成長という2点でしょうか。

またこの記事も概念を掴む上で参考になります。

biz-shinri.com

上記や他の自己啓発に関する文書を見ると、SDは仕事に対して焦点があるのに対して、自己啓発は仕事&人生という所に焦点があるのではないかと思います。

 

そこでいつもの図に少し手を入れてみました。

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ちょっと分かりにくくなってきたので、図を少し整理する必要がありそうです。今までのブログ記事も踏まえて整理すると

SD⇒組織主体、仕事が焦点

自己啓発⇒個人主体、仕事のみならず人生も焦点

という事でしょうか。ただ、セルフディベロップメントやプロフェッショナルディベロップメントとの定義づけとすみ分けをもう少し考えなければいけないですね(SDは専門・研究領域ではないので、)

 

他大学の自己啓発関連の規定を調べてみると、国立大学は自己啓発休業規定というのはいくつか見受けられました。私立大学は公開が少なかったのですが西南学院大学では体系的な研修制度とは別に自己啓発として次のように明記されています。

Ⅳ.自己啓発研修

[主  旨] 職員が自主的に研修に取り組むことにより、自己の能力開発及び資質の向上を目指す。また、それらの取り組みについて、学院が支援することにより、職員の自己啓発意欲の高揚を図る。

[研修内容] 別表の共通テーマ/分野別項目又は各自の業務に関連する事項、その他学院の発展に寄与すること等について行う自己啓発研修で、次に掲げる研修をいう。なお、自己啓発研修は、原則として勤務時間外に行う。

[研修方法]

(1) 通信教育及び外部団体開講講座の受講

(2) 資格取得

(3) 大学・大学院等の講義の受講

(4) 学会・研究会等参加

(5) 大学が行う公開講座等の受講

(6) 個人による文献等を用いての自主研修

(7) グループによる文献等を用いての自主研修

(8) その他

www.seinan-gakuin.jp

 

 最後に、自己啓発にしろ、セルフディベロップメントやプロフェッショナルディベロップメントにしろ、いずれを考える際に目標やライフプラン・キャリアプラン等があるからこそ意味を持つものではないかと考えています。とは言いましても、若いうちは色んな事をやってみて寄り道をする事が重要で、道と目印を決めてやるのは一定の年齢になったり、時間の有効活用がシビアになる結婚してからでも良いのではとも思います。

 

 

 

(SDの義務化になっても、年1回の講演だけとかOJTとかをSDですと、組織が言いませんように。そんな大学が増えたら、補助金要件で「SDの質向上」とか言われたり…。)