大学アドミニストレーターを目指す大学職員のブログ

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教員の人事(計画)をどのように考えるか~経営的視点から~

 大学において、置かなければならない最低限の教員数というのは大学設置基準によって定められています。教員数は学部の種類や学生数、学部に同系統の学科が2以上あるかないかなどを踏まえた簡易な計算が必要で、以前計算方法については紹介した事があります。 

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 さて今回のテーマは教員の人事計画です。言わば、何人雇用するかといった事です。もちろん教員一人当たりの学生数は少ないほうが教育効果は高いとされていますので、教員数が大いに越したことはないです。しかし今回は教育ではなく、経営的な視点で人事計画をどのように考えるかをまとめてみます。

 

Ⅰ.大学設置基準上最低限必要な学部(学科)ごとの教員数を計算する

①大学設置基準「別表第一 学部の種類及び規模に応じ定める専任教員数 (第十三条関係)」に専任教員数について、記載があります。つまり各学部学科等に最低限必要な教員数ですので、これを計算しましょう。

② 別表第二 大学全体の収容定員に応じ定める専任教員数 (第十三条関係)を次に計算します。これは大学全体の収容定員に必要な専任教員数です。 

※大学設置基準上でぎりぎりの教員数とするのであれば、Ⅱにある資格・免許課程上必要な教員数もふまえる必要があります。

※設置基準上では、半数以上は教授である必要があります←特に注意する点です

Ⅱ.資格・免許課程上、必要な教員数を計算する。

各学部で資格や免許課程があれば、必要な教員数や分野、この科目が持てる教員等が定められています。例えば教職課程であれば、免許(教科)によって必要な分野の教員や教員数が詳細に決められております。

<参考>教職課程認定基準等:文部科学省

※Ⅰと関連して、ある学部の資格課程の必要な教員数が設置基準の専任教員数より多い場合は、Ⅰ-②の教員数を重点的に割り振るという事も想定できます。

Ⅲ.担当してもらう科目・課程と業績を確認する。

①学部等設置認可申請や教職課程申請では、担当する科目の業績があるかどうかは厳しくチェックを受けますが、それがなくとも科目をきちんと担当できる業績(エビデンス)があるかの確認が必要です。

②欲を言えば、(言い方は悪いですが)他の科目への汎用性もあるかどうかは確認する所であると思います。例えば、担当してもらう科目が将来カリキュラム編成でなくなってしまったor縮小した時に、他の専門科目や教養科目等が持てそうな分野かどうかということも職員として確認する必要があります。

Ⅳ.各教員の定年を調べておく

先生方がいつ定年退職されるのか、その分をいつ採用すればいいかといった計画が必要です。前倒しで採用する事もありますが、その場合でも誰が(定年退職する)誰の前倒し人事かは把握する必要があります。

※今後大学どのような学部等の改変をするのかも理解しておく必要があります。中には、「自分が定年退職するから次はこの人を専任にしてほしい」や「同じ分野の教員を採用しろ!」という話も聞きますが、(講座を取っているのでなければ)大学・学部・学科としてどの分野が何名必要かは理解が必要です。

Ⅴ.昇任人事を理解する

先ほど、設置基準では半数以上は教授が必要と述べました。この事を関連しますが、誰がいつ昇任(例:准教授⇒教授)したのかも押さえる必要があります。また教授が定年するのであれば、昇任人事等によって必要な教授数を満たし、助教などを採用できるかもしれません。この事から教員に業績をつんでもらうために、職員はどのような事ができるかは常に考える必要があると思います。

 

以上、5点ほどポイントをあげてみました。教員の人事は職員や事務組織が掌握するものではありませんが、職員は学長や理事長が人事を判断する際に、中立の情報提供や意思決定支援をする必要があります。また人事担当者といっても教学の事(特に資格・免許課程)も勉強していないと計算さえできません。ただこれは経営的な視点に偏っていますので、教学的な視点も一緒にもち人事計画を立てる事が重要なのではないかと思います。(職員が教員人事に口出しをするのかといった意見もあるかと思いますが、人事を決めるのではなく、情報収集と意思決定支援こそがここでの職員の役割と考えています)