大学アドミニストレーターを目指す大学職員のブログ

高等教育関連の話題が中心。最近は補助金やIR、SDの話題が中心です

コラム「○○型IRという枷」

 先日のあるIR担当の勉強会で、知り合いのIR担当者が学内の各部署から分析依頼が持ち込まれるようになったと言っておりました。その大学のIR室は設置して1年ちょっとでしたので、その方のたゆまない努力が実になってきたかと思います。

 

 さて、私学にとっては私立大学等改革総合支援事業タイプ1「建学の精神を生かした大学教育の質向上」ではIRは、学修時間・教育の成果等に関する情報の収集・分析を必須としています。これを大きくまとめると「教学IR」という分野に分類できるのかもしれません。また様々な補助金で教学IRなど○○型IRといった名称を使われていたり、分類分けの議論を見かけます。

 

 ここで気になるのは、○○型IRというのがIR室にとって枷となってしまうのではないかといった事です。

例えば教学IRの場合

・教学IRをやるのだから、教学データを用いた分析しかできない(やらせてもらえない)

・教学データを用いた教学IRをやるのがIR室のミッションであり、専従の教員か職員を置くのであれば、(大学の規模や組織にもよりますが)教学IRの業務量だけで専従職員を置く意味があるかを確認しているでしょうか?

(個人的には、教学IRにおける情報収集や分析で1年分の仕事になるとは想定ができません。仮に分析が忙しいといっても、その分析は意思決定支援に必要な分析なのかは常に自問自答する必要があります。意思決定支援に必要のない分析は、単なる担当者の自己満足にすぎません(←自戒を込めて))

まあそもそも○○型IRといっても定義づけは充分になされていないのが現状ですが、○○型IRを進めますという場合は、①IR室の機能の制限、②IR室がアクセスできる情報への制限などが出てくる恐れがあるのではないでしょうか?

 

 ここで重要なのは、各大学がIRに対し①どのような目的やヴィジョンを持たせるのか②現状の教学マネジメントや内部質保証システムに組み込むのかを明確にする事、IR室は意思決定支援が第一であり、学内では情報と分析にたけているよう常に心がける必要があるかと思います。

 補助金事業や主な目的で○○型IRと打ち出しをしていくことは学内外の理解を得る為に必要かと思いますが、IRは一部の分野に留まるものではありません。IR室を設置しているのであれば冒頭のIR室のような学内(各部署)から信頼されるIR室にならなければなりません。端的に言えば、学内のIRのイメージが「余計なもの」から「有益なもの」へ転換を図る事が必要なのかと思います。(IR室は情報が欲しいとか、こんな調査をしたいとか現場に常になげてきやがってと思われないようにしないとなりませんね)

 

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