大学アドミニストレーターを目指す大学職員のブログ

高等教育関連の話題が中心。最近は補助金やIR、SDの話題が中心です

【コラム】大学改革を「非・否・悪」という前に俯瞰的な視点から

「改革」とは日本国語大辞典によると

(1)不完全なところをあらためかえて、よりよいものにすること。
(2)国家の基礎を動かさず、暴力的でなく、政治上または社会上の変革をすること。
 余談ですが、方言として次の意味もあるそうです。

財政の破綻(はたん)を立て直すこと。借金の整理をすること。

 

 さて、全容が不明瞭で、どこまで続くか分からない果てが見えない「大学改革」や「教育改革」について、否定的や異論を学内外やオンライン上でよく聞きます。一方、教育研究や大学組織の維持存続の為に、何とかしようと尽力されている人もいらっしゃいます。

 ここでは「大学改革」の是非を議論することはありませんが、何故「大学改革」なのかを踏まえて議論する必要があります。例えばよく聞くのは、「補助金がもらえなくなる(もしくは減額される)から、私立大学であれば私立大学等改革総合支援事業などに申請することによって、経常費補助金等を増額させる必要がある」です。以前の記事にも、同様の事は書きましたので、ここでは詳しくは述べませんが、補助金は大学(組織)として教育研究に取組んでいる大学に色をつけて分配されるようになってきています。

as-daigaku23.hateblo.jp

  私立大学の収入に占める補助金の比率は、だいたい10%前後です。例えばこの10%がなくとも経営は何とかやっていけるかもしれません。ただ支出の内、どこかは削らないといけませんし、将来へ向かっての積み立ても必要です。(例えば、建物を建てるなど)

また参考として私立大学(学校法人)の財政については、文部科学省にリンク一覧があります。

平成27年度学校法人の財務情報等の公開状況に関する調査結果について(通知):文部科学省

 また昔の資料ですが、私立大学の収入や支出分析は次の資料が公開されているものとしては参考になります。

http://www.mext.go.jp/component/b_menu/shingi/giji/__icsFiles/afieldfile/2010/11/04/1298512_1.pdf

 

 (お金という観点からだけ見ても)「大学改革」は、自分の周りを現状維持するためだけに反対するのではなく、過去から積み上げてきたものを未来に向かってどうするかを考え実行することが必要なのだと思います。(併せて、周囲にある大学や日本の高等教育行政はどうなっているかという観点も必要です)

 大学によって出来る事・出来ない事がありますし、大学改革は必然ではありません。ただ大学はもう守られてはなく、自然淘汰もやむをえないという雰囲気がある以上、組織の存続するためにはどうしたらいいかは考える必要があります。

尚、2007年にはこんなものも出ています。日本私立学校振興・共済事業団「私立学校の経営革新と経営困難への対応(最終報告)」

http://www.shigaku.go.jp/s_center_saisei.pdf

 

 最後に「大学改革」に取組まないとどうなるのだろうと考えてみると、補助金減額・仮に学生が集まらなかった学部を改組したくても不可能な可能性がある・認証評価には通らず、大学として不適合となり信頼性がなくなるかもしれないといった事がすぐ思い浮かびます。このあたりは一度シュミレーションをしてみるといいかもしれませんね。