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大学アドミニストレーターを目指す大学職員のブログ

高等教育関連の話題が中心。最近は補助金やIR、SDの話題が中心です

平成28年度私立大学等改革総合支援事業タイプ①の昨年度からの主な変更点Ⅰ

 5/30から私学補助の説明会が始まり、補助金担当者ではどのようにこの事業に申請するかといった話が出ていることかと思います。また既に担当者の手元には本事業の調査票が届いているようです(文部科学省のホームページには6/1時点では、アップされておりません)

 前回は説明会資料に基づいて私学が取組む事項をまとめましたが、今回はタイプ1「建学の精神を生かした大学教育の質向上」を昨年度との比較でまとめました。(前回の記事の内容とかぶりますが、この記事だけをみてわかるようにしたいと思いますのでご容赦ください)

なお、新が今年度、旧が平成27年度の事項です(全てを記載するのではなく、一部のみを記載しております)また内容が多いため、2回に分けて記事を投稿します。

 

1.全学的な教学マネジメント体制の構築

①3つのポリシーについて

新:3つのポリシーの点検評価を行う際に地域社会や産業界等、学外の参画があること

旧:3つのポリシーを策定し、ホームページで公開していること

 今年度は既に(学校教育法施行規則で求められている)ポリシーを策定している事は前提であり、その為のPDCAサイクルを構築する中で外部の視点を求めるという昨年度より問いが厳しくなっています。また地域社会や産業界は大学等が所在する都道府県や市町村を主たる所在地とする地方自治体や商工会・企業の必要があるとの事です。

 例えばこんな手段が考えられます。

 ⅰ)自己点検評価委員会に学外の方の参画ができるように規定を見直す

 ⅱ)規程の解釈(例えば学長の認めたものを自己点検・評価委員とすると記載があれば学外を参画させ、名簿に名前をいれ、議事録にも出席者と明記する)

 ⅲ)外部評価委員会を立ち上げる

外部評価委員会は、内部質保証のシステムの観点からも必要性が言われております。

これは大学基準協会の下記の資料の11ページ目の内部質保証体系図が参考になるでしょう。

http://www.juaa.or.jp/images/accreditation/pdf/explanation/university/2015/ex_u_15_02.pdf

②学長を中心とした教学マネジメント体制の構築

新:要件追加「教育課程の編成に関する全学的な方針に基づくプログラムの成果を検証し、改革サイクルを確立していること」

 学長を中心とした全学的な教学マネジメントシステムの構築を聞いておりますが、要件が追加されています。これは3つのポリシーのガイドラインにカリキュラムポリシー(教育課程の編成方針)は次のように整理されている事も理解しておく必要があります。

「卒業認定・学位授与の方針」(ディプロマ・ポリシー),「教育課程編成・実施の方針」(カリキュラム・ポリシー)及び「入学者受入れの方針」(アドミッション・ポリシー)の策定及び運用に関するガイドライン(平成28年3月31日 大学教育部会):文部科学省

カリキュラム・ポリシー

ディプロマ・ポリシーの達成のために,どのような教育課程を編成し,どのような教育内容・方法を実施し,学修成果をどのように評価するのかを定める基本的な方針。

 また全学的な方針と書いてありますので、大学としての方針をきちんと立て、そのプログラム成果を検証する必要があります。(その為に、大学の方針が各学位プログラムのカリキュラムにどのように当てはまっているかをカリキュラムマップ等で明確にしておくと評価がやりやすいでしょう)

④SDの実施方針と計画の全学的策定と①3つのポリシー・自己点検・内部質保証、②教学マネジメントに関わる専門的職員の育成、③大学改革、④学生の厚生補導、⑤業務領域の知見の獲得を目的とするもの、以上5つの内、取組を4つor3つ以上しているか

新:上記の通り。

旧:教育の質的転換に関するSDを実施しているか

 まずSDの対象のどうするかです。以前にも述べましたが、大学設置基準の改正により次の改正がでています。

大学は,当該大学の教育研究活動等の適切かつ効果的な運営を図るため,その職員に必要な知識及び技能を習得させ,並びにその能力及び資質を向上させるための研修(第25条の3に規定するものを除く。)の機会を設けることその他必要な取組を行うものとすること。(第42条の3関係)

 またこの改正では対象を次のようにしています。

対象となる職員について
「職員」には,事務職員のほか,教授等の教員や学長等の大学執行部,技術職員等も含まれること。

 さて、私立大学等改革支援事業では職員の対象をどうするかですが、Q&Aに次のように記載されていました。

取組の対象が職員(事務職員だけでなく、教員や技術職員を含む)であれば、対象者の範囲は問題となりません

 つまり教員もこれらのSDの取組に含めてよいということです。

例えば②の教学マネジメントに関わる専門的職員の育成は、学科長・学部長・部長・局長を対象とした教学マネジメントに関する研修を実施してもよいのかもしれません。④の学生厚生補導も該当の委員会が中心となって、研修会を実施することもできます。ただ注意するのはSDの実施方針・計画を全学的に策定することですので、「大学の教育研究活動等の運営を図るため,該当する教職員に必要な知識及び技能を習得させ,並びにその能力及び資質を向上させるための研修を年間でどのように組んでいくか」を早急に検討する必要があります。(一部の職員を対象とする場合でもOKという事です)

また教育課程形成・編成にあたり、職員が参画する仕組みは今回は削除されています。

 

2.教育の質向上に関するPDCAサイクルの確立

シラバスの記載内容

新:シラバスの作成要領により、①準備学習の具体的な内容及び必要な時間、②授業における学修の到達目標及び成績評価の方法・基準、③卒業認定・学位授与方針と当該授業科目の関連、④課題に対するフォードバックを求めているか

旧:シラバスの作成要領により、準備学習(予習・復習等)に必要な時間又はそれに準じる程度の具体的な内容をシラバスに明記することを全教員に求めていますか?

  シラバスの作成要領により、シラバスに到達目標の明記を求めていますか

 具体的な内容が上がっていますが、注目するのは「及び」と「又は」です。

・A及びB(AとBの両方とも)

・A又はB(AとBのいずれか)

つまり今年度は「準備学習の具体的な内容と必要な時間」の両方の記載を求めている必要があります。まあ求めているかどうかを問われているので、シラバスに反映していなくてもいいだろうという理解もできなくはないのですが、私が監査をする場合はシラバスの具体例も見せろというかなと思います。

シラバスの第三者チェック

新:要件追加「編集上のチェック(必要事項の記載の有無のみ等)をするだけはだめ。記載内容等の改善等を担当教員まで要望することまで要する。

  根拠資料「組織から命ぜられた者が職務内容を確認した資料」

旧:根拠資料「第三者としての職務内容を確認できる資料」

シラバスチェックする人が職務内容を確認した資料であれば、依頼書等を確認したという書面、もしくは自分がシラバスチェックを行うものであるという同意書みたいなイメージでしょうか。

⑨教員の教育面における評価制度を設けていますか

新:要件「顕彰だけではなく、処遇に反映をさせること」

処遇の定義をどう判断するかですが、要件では昇任や給与などの処遇と明記されています。(ただ現実的には昇任は難しいのではと思います。逆に評価を受けることが昇任するための条件としても教育を評価しての昇任はどうか)

なお処遇についてはQ&Aで「教員の個別の人事制度上の取り扱い」とされ、研究費の増額は該当しないとされています。

⑩FDの実施のための組織の設置と実施

新:FDの参加率(全員or3/4以上or左記以外)

旧:FDを三回以上、全学部or一部学部orしていないか

ここで問題となるのは、FDの参加率を100%とするのか、それとも全教員はFDに必ず1回以上は参加させることによって教員の参加率を100%とするのかでしょう。

(前者は不可能に近いですので、おそらく後者で大丈夫かと思いますが、言い方は悪いですがFDの欠席者向けのFDをしないと100%は難しいと感じています。)