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IRと大学職員⑥IRに関する会った人達との議論から

 IR関係者(あえて担当者ではなく、関係者とします)と話をする機会が、それなりにはありまして、そこから疑問に思った事をいくつか書き出してみたいと思います。

 

①「IRの(分析)事例を教えて欲しい」

 以前にも書いたように思いますが、(分析)事例を聞き模倣する事は、新しい事を進める上でヒントになりうると思います。ただ事例を聞くだけではなく、どうしてその事例を行ったのか、その背景は何のかまで理解しないと、所属機関に活かす事は難しいのではとも感じています。事例を聞いて、勉強した気になるのではなく、背景や所属機関の立場からどうかも考える必要がるという事です。

 事例だけなら、論文や研究ノート、またその他の文章を探せば、たくさん出てくるわけなので、情報収集力はきちんと身につけておく必要があるのではないかとも思っています。

 

②「○○型IRを進めるにはどうしたらいいか」

 ○○型、例えば教学、学生支援、経営、財務など様々な語を聞きます。まず議論する前に○○型の定義をしておかないと、土俵が微妙にずれていて中々議論にならないかと思うのです。とは言え、最近は○○型ありきではなく、「組織としてどのようなミッション・課題・探求しなければならない事があって、IRという機能により、明確化させるか」が重要であると思います。卵が先か、鶏が先かですが、型にはめるIRが重要なのか、実際にやってみてから、型になっていくかという事ですね。

 

③「IRはどう活用すればいいのか?」

 IRの定義が共有化・すり合わせできていないと、これも話をしていてずれていく話題の一つです。例えばIRを、「データを収集、情報に変換し、意思決定や業務推進の支援」としても、②に言ったように、教学や財務が頭の中にある人もいるわけです。

 おそらくこの場合は、

  ⅰ「IRをどう活用すればいいのか」

          ↑

  ⅱ「情報をどう活用すればいいのか」

          ↑

  ⅲ「データをどう活用すればいいのか」

 このようにⅱかⅲのような発想のほうがいいのではないでしょうか。

 

最後に、最近はIRは情報の透明性の担保もできないかと思っています。例えば、募集に関するデータを募集担当部署が出してきたとします。そのデータに恣意性が入っていないかどうかや、(データの)クリーニングが出来ているかといった確認する機能が持てないかという事ですね。まあ忙しくてそんな事は難しいと思いますが、大学全体のデータマネジメントを行い、学内におけるデータの収集・分析・報告のコンサルタント的存在になってもいいのかなと思うわけです(特に大規模大学、分散型大学などはそう感じます)