大学アドミニストレーターを目指す大学職員のブログ

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学科別ではない大きな枠、学部別入試の懸念事項

 先日、工学院大学に関して、「学部総合入試」を全学部で導入するとのニュースを目にしました。

univ-journal.jp

また工学院大学のプレスリリースは次ですね。

http://www.kogakuin.ac.jp/press_release/2016/cbr7au000005mxsq-att/cbr7au000005mxvw.pdf

 これを見ると、1・2年は全学科共通科目で3年以降から専門科目となり、次のメリットを押しています。

従来の受験時に学科を選択する入試方法では、入学後に自らの希望と専攻する学問の違いにミスマッチを起こす学生 も少なくありませんでした。そこで、従来の入試方法に加え「学部総合」入試制度を導入することにより、このような学科選択 のミスマッチを解消し、入学後に納得して自分の専門や所属学科を決めることが可能となります。

 確かに後で学科を選択できる事は、学科選択のミスマッチを減らすので大きなメリットです。しかし、工学院大学ならともかく、他の大学がこれを真似できるかというと、懸念すべき事がいくつかあります。

①資格関連の学科は、このような入試は非常に難しいのではないか。

 資格課程だと、大学設置基準とは別の基準の教員数が必要であったり、また資格によっては学科の入学者数を適切な教育や経営ができるように設定しています。資格課程をその学部全体に広げ、必要な先生方を採用するのは、あまり現実的ではないかと思います。

②(学科の受入者数のリミットがある場合)選考の実施の有無について

 (もし選考をやるのであれば)1つの学科に大幅に希望者が偏った場合はどうするのかは事前に明示しておく必要があるかと思います。

③人が集まらない学科を存続させる為の手段となってしまうのではないか

 「A学部のB学科・C学科・D学科があり、D学科の志願者が思うように集まりません。そこで学部別の入試にして、人気のあるB学科とC学科を餌にA学部の募集をして、3年のときに選考で、B/C学科に入れなかった人をD学科にまわそう」という事もできる訳です。

 ※工学院大学は志願者数等見る限り、順当なのでそのような事はないかと思います。

 

 中にはその大学に入りたい(学部学科はどこでもいい)とか、その学部に入りたいとか(以前、日本大学芸術学部に入りたい人がいて、演劇でも写真も何でもいいと言っていたのは印象的でした)があるので、そのような人にはいいかと思いますが、後で選べるんだといって、100%希望の学科に入れるかどうか、もしくは選考の有無について、事前に確認はしておく必要があるかと思います。