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IRと大学職員⑪IRの定義のみに固執してはいけない

 大学がIR室を立ち上げた。自分がそのIR室の業務を任じられました。では何をしたらいいのだろうと思い、IRの本や文献を見ると色々な定義が出てくる。

 

 例えば「『意思決定支援』とか『データを報告する業務』とか、色々あるけど、自学ではどうしたらいいか分からない。でも『意思決定支援』はよく出てくる言葉だな、ということはIRは意思決定支援なのではないか。そうだ、IRは意思決定支援をしなければならない。

 

上記で考えられるのは、IRは意思決定支援であると捉え、意思決定支援でなければIRではないと思ってしまうのはちょっと困るなという架空の事例です。そもそも意思決定支援とは、どこの・誰の意思決定支援なのか→執行部とは限らない。現場レベルでもありえるかもしれないのです。

 

また意思決定支援機能ばかり目が行って、その為にはレポートと考えるのも大切ですが、レポートを作る為には例えば

①データを収集する(データ定義が正しいか、データが綺麗かも確認したり、クリーニングする)

②データを集計・分析する

③データを分かりやすくレポートにまとめる

などといった業務があります(IRの業務の流れについては、いくつか紹介されている文献がありますが、上記は一例です)。

 

③ばかり目がいっても、実は①と②がしっかりしていないと意味がありません。料理で言うなら、下ごしらえをいかに綺麗に丁寧にやっていくかでしょうか。

 

そもそも大学によってIRにどのような役割を求める化、そしてどのような組織かも異なります。IRのみを行っている大学もあれば、評価と結び付いている大学、企画と結び付いている大学もあります。様々な先行研究は、目を通すべきですが、それの枠組みに当てはめるだけではなく、所属機関はどうなのかはきちんと踏まえて業務を行っていくべきではないかと思っています。