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大学アドミニストレーターを目指す大学職員のブログ

高等教育関連の話題が中心。最近は補助金やIR、SDの話題が中心です

IRと大学職員⑫IRを担当する職員の適性について思う

IR

 私立大学等改革総合支援事業でIRを専任とする教職員の配置の設問が出てから、各大学にIR担当の職員も徐々に配置されているケースが増えたような気がします。

 仕事上、様々なIRを担当する大学職員の方をお会いし、話をする事があります。ここでたまに出る話題として、「IRを担当する人に求められる適性は何なのか」といった事があります。正直、組織によるとか、人によるとか言ってしまえば簡単なのですが、先行研究もあまりない分野でもあります。

 今回は、私の主観ですが、IRを担当する職員を話をした中でこんなものが適性ではないのかなと、書きとめてみます。

 

①コミュニケーション能力

 データ収集や分析を進める上、例えばデータが一元管理されているデータウェアハウス等が整備されていなければ、データをもらうのも日ごろからのコミュニケーションと信頼関係が不可欠です。データ収集・分析・報告をするのが職務だからといって、部屋の中に閉じこもって仕事ができるものではないと考えています。

 また分析をする上でも、分析を依頼される時は相手の思うリサーチクエッションは何のか、もしくは何かボンヤリと像があるものをどのように引き出していくかも問われているかと思います。

 

②相手の立場になって考える力

 ①のコミュニケーションとも重複しますが、あえて別にしました。例えばデータ報告の際に、難しい分析はして報告書は作ったけど、相手の立場になって考えた分析と報告になっているでしょうか。これは、相手の意図するような結果になっているかではなく(個人としてはIRは中立性を貫き、信頼性がより重視されるべきだと思っています)、相手が理解できる、もしくは分かりやすい分析と報告になっているでしょうか。例えば、スライドに文字をたくさん詰め込んだり、人生経験が豊富な方に報告するのに、文字サイズが小さくなっていませんか。あと統計分析でも、自分は常識の知識でも、報告相手によっては基本的な統計を学んでいない人もいます。報告会を開いても、参加者の中には分かっていない事を分かられたくないという人もおり、報告の意味がないという場合もありました。

 

③アンテナを張る力

 アンテナを張るとは、情報収集を行っていく意味で書いています。IRは、他部署と比較して、分析事例もインターネット上で多く閲覧できます。(例えば大学評価コンソーシアムの機関誌など)

 このアンテナを学内と少し学外に向け、現状や課題、今後への展望などから政策など、様々な点について情報収集し、学ぶ姿勢が重要だと思います。例えば、学生のアセスメントについて依頼がきたけど、学内で行われている取組み、学生の成長モデルやアセスメントツールについての理解、他大学の動向(補助金採択事例も含む)などを分かっておくといいと思います。各大学がIRに設定している目標や目的に沿った知識や関連領域は最低限、アンテナを張る必要があると思います。

 

④前例主義ではないという自覚

 IRは、毎年行う定例的な仕事もある上で、突発的な業務や依頼が来る部署が多いかと思います。自覚というより、自分が出来る範囲(もしくはできる範囲を1歩だけ踏み越えた範囲)も自分の担当業務であるという考えです。

 

⑤分析・報告能力

 IRというと難しい統計分析が出来るようにならないと業務ができないという話も聞きますが、IRは研究ではなく、データを収集・分析・報告し、それを相手がきちんと有効に使えるかどうかに価値が問われると思っています。難しい分析をしても相手が使えなければ、自己満足にすぎません。相手から求められれば、様々な分析に対応できるけど、相手がきちんと有効活用できる適切な報告ができる能力は必要だなと感じています。

 

 実は書いてても、あまり社会人として必要な能力と大差ないのではと思います。IR担当者は、実務者か研究者のどちら側か(もしくはどちらに近いのか)とか、研究や実務かといった先行研究も見かけますが、最重要なのは、その結果を報告相手が有効に活用できる事だと思っています(まあ、あえてその結果を使わないという活用もありますけど)